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第35回 天地人あらすじ「家康の陰謀」8/30

大河ドラマ天地人 第35話「家康の陰謀」(8月30日放送)

直江兼続(妻夫木聡)が、
父・樋口惣右衛門(高嶋政伸)を連れて、
山の上から若松城を遠く眺めている。

「あれがわれらが新しい城、若松城でございます」

「ほぉーお。まるで
裸にされたような心持ちじゃのう。
越後の山城に慣れた身には、
どうも頼りなく思えてならん」

-----

伏見城で豊臣秀吉(笹野高史)の世話をしている
前田利家(宇津井健)。

「秀頼君はわたしが、必ずやお守り申しまする」

「そう言うて下さるか」

「聞こえのいいことを言う者は、大勢おる。
じゃが、ほんに信じられるは、そなただけ」

せき込む秀吉の背中をさする利家。

「共に信長様にお仕えした自分にも
こうしてもろうたことがあったのう。
ほれ、屋敷が隣同士で、よう酒を一緒に飲んだころじゃ。
わしが、悪酔いをして、前田殿に
水を飲ませてもろうた」

「ん、ん、ん。覚えておりますぞ」

「草履取り上がりのこのわしなんぞに、
前田殿にこうまでしてもろうて。。

あのころのわしを知っておるは、
もう、そなただけじゃ。
あのころの本当のわしの姿を」

-----

会津若松城に、石田三成より
太閤秀吉、病の知らせが届いていた。

「徳川が動き出すやもしれません」

「上洛したいがのう。。。

国境の守りを固めるのが先じゃ」

京に行けという景勝に、米沢の心配をする兼続。

「案ずるな。わしが米沢を預かる」と樋口惣右衛門

「父上。。。」

「なあに、やってできぬことはない。
この年になってからの子育てに比べれば、
恐るるに足らず」

-----

北の政所(富司純子)に接近する徳川家康(松方弘樹)。
今日も、自分の手作りの薬を渡して
ご機嫌をとっている。

「何が起こりましょうとも、北の政所様には、
この家康がついております」

「内府どの」

「ただ、憂いがいくつか。
治部の少(じぶのしょう)と上杉にございます」

「あの者らが何か?」と北の政所。

「治部の少の、淀のお方様へのへつらいぶりには。。。
それに、
上杉は国づくりを理由に、この後に及んでも上洛せん。
これは何か、よからぬことを図っているのではないかと」

-----

上杉家の京の屋敷では、上洛した兼続に
菊姫(比嘉愛未)と大国実頼(小泉孝太郎)が
徳川家康の怪しい動きを報告していた。

「内府様と北の政所様のことでございます」
と大国実頼。

「お会いになる時は、二人きり。
いつもお人払いをなさっておる」と菊姫

「うわさでは、ただならぬ御仲とも」

「つつしめ!何を申す」

「しかし、内府は、北の政所様のご贔屓をよいことに、
伊達家との、法度破りの婚儀を進めたり、
上洛してこぬ上杉につき、
根も葉もない悪口を吹き込んだりしておると。。
何か手を打たねば」

「いや、かような時こそ性根を据えねばならぬ。
心無い噂や戯言におどらされるな。よいな」

「は」

-----

病の床の秀吉。

「茶をくれぬか」

「は」石田三成が座を立つ。

三成が入れた茶を飲む秀吉。

「うまいのぅ」

「もう一杯くれぬか」

「はっ」

お代わりを飲む秀吉。

淀に向かって「うまい」
また、北の政所にも「うまいのう」

「ま、一杯」

「はっ」

再度茶をたて、秀吉に差し出す三成。

急にシャンとなった秀吉が、
作法通りにしっかりした手つきで茶を
受け取って飲む。
そして、しっかりした口調で、
「そなた、まこと気がきくのう。
どうじゃ。
わしに仕えぬか」

かつて子供のころの三成を、
寺で見出した時のことと
混同しているのであった。

驚いた三成は、事情を悟ると、
下がってひれ伏し、涙ながらに

「ありがたきお言葉。
わが命を捧げ、
秀吉様に御奉公つかまつります」

「そうか」うなずくと

「そぉ〜おか。頼もしいのう」
と言うと、ガクッと力が抜ける。

「殿下!殿下!」
秀吉に駆け寄る三成。

秀吉は、三成の肩をつかむと
何かを耳元で囁く。

そのまま気が遠くなり、ついに亡くなった。

「殿下!」

「お前さま。。」

慶長3年8月18日、太閤秀吉はその生涯を閉じた。

-----

太閤逝去に伴い、上杉景勝(北村一輝)が上洛した。

真田幸村(城田優)が出迎えて挨拶する
「中納言様、先だっての出奔、まことにご無礼を」

「昔のことはよい。息災であったか」

「はっ、治部の少(じぶのしょう)様の
お引き立てをこうむり」

「天下は乱れるやもしれぬ。
幸村、そちの気骨、頼りにしておるぞ」

「はっ」

-----

徳川家康が景勝に皮肉を言う。

「太閤殿下ご逝去の折には、上杉殿だけが
領国におられたゆえ、われら4大老で図り、
朝鮮よりの軍勢引き上げを決め申した」

「かたじけのうござる」

石田三成が、
「なお、この後は諸事、5人の大老衆と5人の奉行衆の
合議によって決することといたしますので
上杉中納言様、その旨お心えくださいませ」

「相わかった」

「治部の少、その方、無礼であろう!」
徳川家康が、突然、声をあらげて叱責する。

「大老筆頭たるわしが、上杉殿に
もの申しておる最中なるぞ!
口出しいたすな!」

「ま、まったく、だが、ここは」と毛利輝元(中尾彬)

「毛利殿、この家康の方に落ち度があると?」

「いや、そうは申しておらん」

前田利家がとりなす。
「あ、徳川殿。
治部の少は、太閤殿下亡きあとの豊臣を案じ、
つい先走って申したのであろう。
だが、治部の少の言うたこと自体は
何も、間違ってはおらぬ」

「十名うちそろった今、改めて、われら心を一にして、
豊臣家を支えて参ること、ここで誓おうではござらぬか」

「はっつ」一同礼をする。

「徳川殿。。いかがか。。?」

「あ、はあ、はは。
拙者もいささか大人げない物言いでござった。
平に、あー、ご容赦を。。。」

-----

「あの、あからさまな、石田殿への敵意、
やはり徳川殿は、天下を奪うつもりかと」

「わしも徳川殿には、ちと驚いた」

「石田殿一人では太刀打ちできぬ。
石田殿を助けてやる者が、豊臣の家臣におらぬとは。。」

「兼続、治部の少に肩入れし過ぎてはおらぬか?
わしらが今一番にやるべきことは、
国を整えることじゃ」

-----

三成は、秀吉の最後の言葉を想い出していた。。

「三成。。。天下を。。。」

-----

秀吉の遺言にしたがって、
秀頼は母・淀とともに大阪城に入城した。

後見の前田利家が病気がちであったため、
石田三成が実質の政務を取り仕切ることになった。

それまで本丸にいた北の政所は、西の丸に退去する
ことになった。

ある日、大阪城に呼び出された大名たち。

毛利輝元
「わざわざ呼びつけるとは、われらを秀頼様の
おもちゃとでも思うておられるか」

徳川家康
「まあまあ、何事か、見極めるといたしましょうぞ」

福島正則(石原良純)
「なんとも歯がゆいことですかな。
本来ならば、あの座には、秀秋様がおられるはずだったに」

小早川秀秋(上地雄輔)
「言うでない、
それも運命(さだめ)というものじゃ」

淀と秀頼が登場する。

「今日来てもらったは、他でもない。
その方らに今一度、
秀頼への忠義を誓ってもらいたいのじゃ」

前田利家「命かけ、お守りいたす所存。
武士に二言はござらぬ」

「この輝元とて同じ豊臣の天下のために、
一心に秀頼様に御奉公つかまつらん」

上杉景勝
「豊臣天下の御為、つくすは当然のこと」

宇喜多秀家(須賀貴匡)
「親父様に御誓いした言葉、嘘、偽りはございませぬ」

して内府殿?

返事をしようとせぬ家康に、淀は、
「ふふふ。わたくしは、何を言われても構わぬ。
母が子を守るためには、鬼にもなるのじゃ。
さて、内府殿、いかに」

「当り前のことなれば、口に出すのも
おろかしゅうござる。

それよりわたしは案じておるのでございます。
お方様と秀頼君が悪しき者に惑わされねばよいがと」

石田三成の方を見ながら、

「裏で糸を引き、意のままに天下を操ろうとする
奸臣がおるようでございましてな。

長らく上洛せず、不穏な動きをする大名もおる。
無礼千万にもお方様と秀頼君を女子供とあなどり。。」

「お待ちを!」大声でさえぎる直江兼続。

「殿、よろしゅうございますか」景勝に許しを請う兼続。

「構わぬ」と景勝。

「上杉家執政、直江山城守、申し上げまする。
内府様、お言葉ながら、仰せの意味がよく
わかりませぬ。

天下を操る奸臣とは、不穏な大名とは、
どこのどなたでございましょうか?」

「今、この場で、はきと仰せられぬならば、
お言葉、御取消しくださいませ」

「はばかりながら、真田幸村、
直江様と同じ思いにございます」

「言の葉は、ひとたび口より出れば、取り返しのつかぬもの。
取り消しなど無駄なこと」

淀は、座を立つと
「皆、今日は大義でありました。
礼をいいます」
と、行って、秀頼とともに退出した。

家康も笑いながら座を立つと、
「では、これにて。
かような所に長居をしては、
戦になりかねませぬな。
怖い。怖い。」

三成の前で立ち止まると、

「われら力で領地切り取りし者。
そなたごときに束ねられはせん」

と、笑いながら去っていく。

-----

その夜、お船がやってくると
「御父上から文でございます。
お松が和歌をそらんじることが
できるようになったとか。。。。」

兼続のただならぬ様子に、
「いかがなさいましたか?」

「いや、なんでもない。
そこへ置いておいてくれ」

「はい。。」

そこへ、初音がやってきた

「三成様をお止めくださいまし」

「止めるとは?」

「徳川内府に夜討ちをかけると!」

-----

三成の屋敷に行った兼続が、家臣(若林豪)に止められる。
「お手前は?」

「上杉家執政、直江山城守である。
至急、石田殿にお目通りを」

「これは、大変なご無礼を。
石田治部の少が家臣、島左近にございます」

「左近か、直ちに石田殿に」

「ご容赦を。殿は、もう誰ともお話になりません」

三成を見かけた兼続は、島左近を振り切り、
駆け寄る。
「三成殿!」

「内府のもとに行くつもりか!」

「止めるな!
これがおれの務めなのだ!」

立ち去ろうとする三成に、
「早まってはならぬ!」

立ち止まる三成。
「早まるだと!?
既に遅いくらいだ。
家康は、北の政所様まで巻き込んで
平然と殿下のご遺言を破っておる」

「だからと言って、こんな軽はずみな真似が
許されるか!」

怒った三成は、兼続につかみかかる。
「軽はずみなどではない!
考えに考え抜いてのこと!

ここで、俺が身を捨てなければ、
天下は家康に奪われる。

戦を無くし、民が安らかに暮らせる世を作る。
その想いだけでここまできたのだ。
それを守ろうとしておるのだ。

その何が悪い!何故止めだてする!」

「まさに、その思いが故だ。
石田三成ほどのものが、徳川内府の心底が見抜けぬか!
お主一人身を捨てたとて、
内府を亡きものにできるほど甘くはないぞ。」

手を離し、再び行こうとする三成の
肩に手をかけてと引きとめる兼続。

「よいか!
内府は、私利私欲なく豊臣に仕えるお主が
目ざわりなのだ!

お主を挑発し、
誇りを傷つけ刃を向けてくるのを待っておるのだ!
左様なたくらみに乗せられてなるものか!

お主は、わららは、天下を守る者。
何より大事は、揺るがぬ志だ!
それを一時の感情にかられ、捨ててはならぬ!

確かに家康は危うい。
万一の時は、家康と雌雄を決せねばならぬやも知れぬ。
だが、それは最後の最後。
今は、知恵の限りをつくし、渡り合うのだ!」

「兼続!」

「お主は、一人ではないと申したであろう。
だから、今は頼む!
思いとどまってくれ」

-----

五大老に進言する石田三成
「徳川内府は、太閤殿下のご遺言に背き、
伊達家、福島家、蜂須賀家との婚儀を次々に進めた。
これは、豊臣家への謀反に等しい。
五大老制を骨抜きにし、
天下の権、おのが手に一手に収めんとする
徳川内府の無法、今こそ正さねばなりませぬ」

「依存ござらぬ」と毛利輝元
「同じく」「同じく」「同じく」

こうして、徳川家康のもとへ、
四大老、五奉行の名のもとに詰問使が送られた。

しかし、家康はひるまず、詰問使を一蹴。

「おのおの覚悟はできておろうな」

------

伊達政宗(松田龍平)が家康と面会している。

「舅どの、調子はいかがでございまするか。
太閤の残り香にすがりつくものどもが、
御掟を盾に虎の子を守ろうとしておるが、
掟とは、強いものが塗りかえるもの

家康の後ろに回り、家康の肩をもむ政宗。

「力で認めさせるもの。
さて、戦の前のこの気分。
いつもながら、血が騒ぎますな」

-----

兼続と景勝
「かような時こそ、軽挙はならぬ」

「心得ておりまする。
しかし、石田殿への風当たりは強うございます。
日頃から不満を抱く諸将が、徳川内府になびき、
大戦にならぬとも限りませぬ」

「あのお方に頼むほかあるまい」

:

前田利家のもとに出向いた直江兼続。

「お安いごようじゃ。
わしは、秀頼様の後見役ゆえな」

咳き込む前田利家。
「大納言様」「父上!」

心配そうな兼続、利長に、
「いや、何。
秀頼さまがご成人遊ばすまで、わしは
死ぬつもりはござらぬ」

と言いつつも咳き込む利家。

そこへ、徳川家康が突然の見舞いに訪れる。

すでに直江兼続が来ていることに気づき
驚く家康だが、

利家のもとに近寄ると、
「こ度は、ささいな手違いがもとで
思いもかけぬ騒ぎになりもうした。
この家康、お詫びの言葉もございません」

「内府殿。まこと、その言葉に
嘘、偽りはござらぬな?」
病で弱ったような演技の前田利家

「天地身命に固く固く誓って、
世を乱すつもりなど、さらさらござらぬ。

大納言殿の病が癒えるまで、
この家康が秀頼様をお守り致します。
どうかご安心の上、ご養生くだされ。」

弱弱しく手を出す前田利家。
家康が手を握ると急に強い口調で、
「貴殿の命、ここで奪うこともできる!」
というと、隠し持った短刀を、
家康の首に突き付ける。

「偽りなき言葉で誓えましょうや?」

「御誓い申す」

「利長聞いたか?」

「は」

「直江山城、聞かれたな?」

「確かに」

「証人がおれば、安心じゃ。
この利家、貴殿の言葉を信じますぞ」

後ずさった家康、上目遣いのまま
「は、はぁ〜っ」

前田利家が亡くなったのは、慶長四年閏三月の
ことであった。

利家が息を引き取ったその夜、
上方を揺るがす大事件が起ころうとしていた。


前田利家(1)前田利家




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