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第33回 天地人あらすじ「五人の兼続」8/16
大河ドラマ天地人 第33話「五人の兼続」(8月16日放送)
直江兼続(妻夫木聡)が家老になって15年、今や
上杉家の重要事は兼続がすべて采配していた。
この日も、兼続が多くの指図をして、
上杉景勝(北村一輝)のもとへ報告に行くが、
口を開いたとたんに、
「よい」
「は?」
「そのほうがわかっておれば、それでよい」
「はあ」
「兼続にもしものことがあれば、
上杉はどうなるのか。。
兼続が五人おれば、わが領内は、
やすやすと治まるであろうの」
景勝の様子に不審をおぼえた兼続は、
「殿、どうされたのですか?」
「兼続、今後は上杉の仕切りをすべて
そちに委ねる。
わしの指図を仰がずともよい。
越後でも上方でもそれがやりやすかろう」
「殿。。。」驚く兼続。
「そなたが思うがまま、働くがよい。
わしは、その盾となる。
どうじゃ」
兼続は、感激してひれ伏し、
「さほどまでのご信任。
この、兼続申す言葉とてございません」
「では、よいな」
「はっ」
そこへ、泉沢久秀(東幹久)がやってきて、
関白秀次が、謀反の疑いで
高野山に追放となったことを告げる。
兼続は驚き、急ぎ京へ向かった。
-----
関白秀次は、高野山謹慎後
わずか7日で切腹を命ぜられてしまう。
兼続の着替えをお船(常盤貴子)が
手伝っていると、そこへ、
小早川秀俊(上地雄輔)が大騒ぎを
しながらやってきた。
「景勝!景勝!景勝はおらぬか!!」
景勝がおらず、兼続しかいないことに
気づくと、
「兼続、このとおりじゃ。
景勝から親父様にとりなしてもらいたい。
くれぐれもわしの命を奪わぬよう。
頼む」
そう言って、
必死に頭を下げる小早川秀俊。
「どうか御直りください。
そのような御懸念は御無用にございます。
小早川家は名家。
そこへ行かれたのは、あなた様の行く末を
太閤殿下も案じておられたからでございましょう」
秀俊は、ちょっと安心したように、
「左様であろうか?」
------
事の真相を明らかにしようと、兼続は
石田三成のもとを訪れたが、
三成は会おうとしない。
------
伊達政宗(松田龍平)が、
秀次との関わりを詰問されている。
遅れて石田三成もやってくる
「その不審の点とやらを言うてみよ」
「一つ、秀次公と聚楽第で密談したること。
二つ、秀次公と鷹狩りの折、山中で密談したること。
三つ、秀次公より、蔵、帷子、もらいいたること。
はっはっは。政宗は高笑いをすると、
「何とお粗末なことよ。
それが連座の証拠か。」
「し、神妙にお答えなされよ!」
「その方ら、人と会ったら話くらいいたすであろう。
鷹狩りは、口をきかずにするものか?
蔵や帷子を頂けば、謀反に共謀することになるのか?」
石田三成が、
「それでは、秀次公と親しきこと、
認められるのだな」
政宗は、立ちあがって三成に近づくと、
「秀次公は、太閤殿下の御意にかなって
関白になったお方であろうが。
そのお方と親しくしてどこが悪い」
三成も立ちあがり、
「伊達様と秀次公、ほかならぬ御仲であったこと、
よくよくわかりました。
お答えこれにて十分でございます。
追って御沙汰がありましょう」
------
徳川家康(松方弘樹)が北政所(富司純子)
に伊達政宗のとりなしをお願いしている。
「伊達殿がまた無理を押しとおしておるようで」
「ほぅお」
「いや、心配でしての。
ああいう若い、喧嘩好きの御仁は
何かと誤解を受けやすい」
「随分と伊達殿を買っておられるようじゃのう。
わたくしから殿下に申し上げておきましょう」
「かたじけのう存じます」
「これからも気がかりなことがあれば、
何でも言うて下され」
「はっ。はーっ」
-----
兼続がお船と話しながらお茶を飲んでいると、
秀次の正室、側室、若様、姫君など
三十人あまりが、三条河原で処刑されるとの
知らせがとどく。
処刑場に出向いた兼続は、
三成の前で、秀次の一族が殺されるところを
目撃する。
そこには、初音(長澤まさみ)がいた。
「わしは以前より人の心を無くしてはならぬと
三成に忠告してきた。。」
「わかって頂きたいとは申しませぬ。
ただ、兼続さまには、
このことだけは、お伝えせねば。。」
初音が伝えたのは何だったのか。。
-----
この日も三成に会いに来た兼続だったが、
会えないと言われ、帰ろうとしたところ、
お拾い君と遊ぶ秀吉(笹野高史)の目にとまる。
「久しぶりじゃの兼続」
すっかり、御拾い君に夢中の秀吉。
「こっちに来い」
と兼続を連れて行った先の部屋には、
子供用の官衣がかけてあった。
「どうじゃ、よい出来であろうが。
これはな、御拾いが、帝にお目見えする
時のためにつくらせた装束じゃ」
ひそひそ声になると、
「これはな、その方だけに教えるが、
極秘にしておけよ」
「は」
「近々、御拾いに関白を継がせようと
思うておる」
驚く兼続。
「関白?しかし、前(さき)の関白殿下が
亡くなられてまだ日も浅く。。」
にやりとしながら、
「首尾よう、関白席が空になった。
朝廷に頼んで御拾いに官位を授けて頂く。
これは、それに間に合うよう、早めに作らせたのじゃ」
よう似合う、よう似合う。
立派じゃ、立派じゃ」
そこへ、石田三成がやってきた。
兼続がいるのに気づき、驚く。
兼続と目が合い、気まずそうである。
「三成、聚楽第を取り壊せ。
あれがあっては、人はいつまでも
秀次を想い出す」
「しかし、聚楽第は。。」
「よいか、柱一つ、瓦け一つ残してはならぬ。
跡形もなく消してしまえ」
「は」
:
「三成は、存外甘い所があっての。
秀次の妻子まで殺すことはないと、
えろう、とめだてしおった。
謀反人は、一族もろとも根絶やしとする。
これは武士たる者の心得じゃ。
何としても御拾いを守らねばならんでのう。
そうであろう?兼続」
ようやくこれまでの事情がわかった兼続は、
初音から告げられたことを回想していた。
「石田様は、誰よりも痛みを覚えておられる。
これでいいのか、自分は正しい道を進んでいるのか
一人で苦しみ続けていらっしゃる。
わかって頂きたいとは申しませぬ。
ただ、あまりにも不憫で。。」
そして、三成の数々のことばを想い出す。。。
------
秀吉が、御拾い君への忠誠を誓う起請文を
諸大名に求めたため、景勝はじめ、諸大名が
上洛していた。
大名たちが次々と追従の言葉述べ、
上機嫌の秀吉だったが、
「景勝は何かあるかの?」
との問いに、頭だけ下げ「いえ」
ちょっとずっこける。
秀吉が退出したあと、徳川家康が、
秀次の件で、石田三成を責める。
「その方がついておって何をしておったのじゃ。
切腹などという前に打つ手はなかったのか?」
「面目次第もございませぬ」
「あれは太閤殿下の陰謀だ、などという噂が
まことしやかに囁かれておる。
これもすべて、その方のいたらぬ故ぞ!」
そこへ、これまで口を閉ざしていた景勝が、
「お言葉ながら、
左様なお叱りは、道理に合わぬものと
存じまする」
「これは上杉殿。
だしぬけに何を申される」
「治部の少(じぶのしょう)は
太閤殿下の家臣。
主の責めを家臣に求めるは、
ご見当違いも、はなはだしうござる」
「つまり何か?
景勝殿は、此度の件は太閤殿下のご意思であると」
「話をすり替えられまするな。
治部の少(じぶのしょう)を責めるばかりは、
姑息な事と申したまでで」
「んふふふふ。
今日はまた、随分とご饒舌ですな」
「まあまあお二人とも、お控えあれ」
ととりなす前田利家。
------
兼続と景勝。
「殿、感服いたしました」
景勝の発言に、感じ入った兼続だった。
変わってしまった秀吉を押さえられない
三成の苦境を話す兼続。
「豊臣への忠義を誓うておるとはいえ、
あの面々をまとめるのは、生やさしいことでは
あるまい。三成一人ではの。。。。」
それを聞いた兼続は、
「兼続が五人おれば、わが領内は、
やすやすと治まるであろうの」という景勝の
言葉を思い出していた。
-----
三成のもとを訪れた兼続。
これまで会うのを避け続けていた三成だが、
会う決心をする。
城の上の部屋まで三成を連れだした兼続。
「ここならば、お主と二人で話せると思うてな」
これまで、三成の立場と想いを気づいてやれなかった
ことを詫びる兼続。
「どうだ、一つ政の形を改めてみぬか?」
「どういうことだ?」
「太閤殿下おひとりに、すべての力が集まるのではなく、
大名の中から何人かを選び、それらの合議によって
政をなすのだ」
「何?」
:
「話にならん。
俺が今まで目指していたことを知っているだろう。
殿下のもとにすべての力が集まることこそ大事」
「今の殿下にそれができぬことは、
お主が一番よくわかっておろう」
「いや、しかし。。」
「殿下の罪をかぶることが、忠義ではない」
「兼続。。。」
「今のままでは、豊臣の世は
やがて立ち行かなくなるぞ」
「このご城下が、また戦禍に包まれるような
ことがあってはならぬ」
「その政、お前も手伝うのであろうな」
黙ってにっこりとうなずく兼続。
-----
「これが大老衆。五人としてみよう。
国の大事を決める者たちだ」
「誰がいい?」
「上杉、前田、毛利、小早川、それに
豊臣の縁戚である宇喜多あたりか。。」
「大老には徳川も入れるのだ」
「徳川はまずい!
家康に余計な力をもたせては、
天下をかすめ取られる」
「いや、今ここで仲間はずれにしては、
それこそ反旗を翻すことになる。
それより敢えて仲間に組み入れ、
何事も徳川の勝手にできぬよう、
大老の一人とし、
他の大老で徳川を見張る」
大老の下には、奉行を置き、
三成自身の他に、兼続を加えようとする
三成だったが、兼続は断る。
「わしは入らぬ」
「何故だ!手伝うと申したであろう」
「上杉は、ここにおる。安心しろ。
わしも、大老上杉の中で腕を
振るわせてもらう」
「頼む」
「ああ」
「だが。。。どのようにして
殿下を説得するか。。。」
いつしか夜も明けていた。。
-----
前田利家(宇津井健)のもとを訪れた、
石田三成と兼続。
協力を願い出ると、利家は快よく引き受ける。
だが、秀吉を納得させるのは大変そうである。
頭をひねっていた利家は、
何やら策を思いついたようである。
:
怒りに震える秀吉。
「たわけ!たわけ!たわけ!
何を言い出すのかと思うたら、
よいか!
豊臣の主は、このわしと決まっておる。
何故、大老なんぞにまかせねばならんのじゃ!
この、、たわけ!」
「は、しかし。。」
「殿下、恐れながらそれがしも
同じ意見でございまする」と兼続。
「何〜!かぁねつぅぐぅ〜!!
そなたまでわしをばかに。。。
何たる無礼!何たる無礼!!
利家殿、何と思われる!」
「直江山城、何故、このようなことを
思いつきおった?
上杉もつらい想いをしてきたからかの?」
「はっ。
亡き謙信公は一代の英傑でございましたが、
惜しむらくは、この世で最後の仕事をせぬまま
亡くりました」
「最後の仕事?」
「はい。あらかじめ跡継ぎを決めておられなかったのです。
そのために、上杉家には悲しい戦が起こり、
家の力も衰えました。
それほどまでに、巨星墜ちたあとのお家とは揺れるもの。
御拾い君がそのような憂き目に合われぬためにも、
殿下がお元気なうちに、
豊臣家の行く末を盤石のものにしておかねば
なりませぬ」
一瞬、そうか、とうなずきかけた秀吉だったが、
「いや、いやいやいや。
豊臣家の跡取りは御拾いと決まっておる。
謙信公とは違う!」
と、突然泣き出す三成。
三成の様子に驚く秀吉。
「ん、なんじゃ?」
三成、泣きながら、
「お許しあれ。まだあどけない御拾い君を
拝見しておりましたら、つい。。」
「天下広しと言えども、この両名ほど
殿下の御為を考えておる者は
おらぬようでござりますな」と利家。
「これをわかって頂けぬかと、、
三成は、悲しうて、悲しうて。。。」
秀吉もついに、そうなのか、という気になり、
三成のもとに近づくと、心細そうに、
「これが、ほんとに御拾いのためなのじゃの?」
「然り」
三成の背中を叩いてさする秀吉。
どうやら、作戦成功。。
-----
二人きりになり、
吹き出す兼続と三成。
「お主、なかなかの狂言であったぞ」
「お前が声を張り上げておるというに、
俺が何もせぬわけにはいかぬわ」
-----
こうして、小早川、上杉、前田、宇喜多、毛利、
そして徳川の6人の大老に、5人の奉行を加えた
体勢ができあがった。
小早川隆景(横内正)が
「秀家殿のようなお若い大老がおれば
豊臣家はこの先、万々歳じゃ」
と言うと、
「おそれいります」と宇喜多秀家(須賀貴匡)
すかさず、上杉景勝が、
「わしとてまだ若うござる」
さいきんスパイスの効いた景勝公。。
-----
二人きりになった三成と兼続。
「礼を言うぞ。兼続」
「礼には及ばぬ。国の安泰に力を
尽くすのは当たり前のことだ。
この国は、わしの国でもある」
「あの時、狂言ではなかったのだぞ」
「あの時?」
「おまえの気持がうれしくてな」
:
「政の荷は重い。
お主一人で背負うことはない」
-----
淀君(深田恭子)のそばで、
御拾いと遊んでいた秀吉が、突然倒れる。
気づいた淀君「殿下?」
石田三成 直江兼続 上杉景勝 豊臣秀吉 豊臣秀次
直江兼続(妻夫木聡)が家老になって15年、今や
上杉家の重要事は兼続がすべて采配していた。
この日も、兼続が多くの指図をして、
上杉景勝(北村一輝)のもとへ報告に行くが、
口を開いたとたんに、
「よい」
「は?」
「そのほうがわかっておれば、それでよい」
「はあ」
「兼続にもしものことがあれば、
上杉はどうなるのか。。
兼続が五人おれば、わが領内は、
やすやすと治まるであろうの」
景勝の様子に不審をおぼえた兼続は、
「殿、どうされたのですか?」
「兼続、今後は上杉の仕切りをすべて
そちに委ねる。
わしの指図を仰がずともよい。
越後でも上方でもそれがやりやすかろう」
「殿。。。」驚く兼続。
「そなたが思うがまま、働くがよい。
わしは、その盾となる。
どうじゃ」
兼続は、感激してひれ伏し、
「さほどまでのご信任。
この、兼続申す言葉とてございません」
「では、よいな」
「はっ」
そこへ、泉沢久秀(東幹久)がやってきて、
関白秀次が、謀反の疑いで
高野山に追放となったことを告げる。
兼続は驚き、急ぎ京へ向かった。
-----
関白秀次は、高野山謹慎後
わずか7日で切腹を命ぜられてしまう。
兼続の着替えをお船(常盤貴子)が
手伝っていると、そこへ、
小早川秀俊(上地雄輔)が大騒ぎを
しながらやってきた。
「景勝!景勝!景勝はおらぬか!!」
景勝がおらず、兼続しかいないことに
気づくと、
「兼続、このとおりじゃ。
景勝から親父様にとりなしてもらいたい。
くれぐれもわしの命を奪わぬよう。
頼む」
そう言って、
必死に頭を下げる小早川秀俊。
「どうか御直りください。
そのような御懸念は御無用にございます。
小早川家は名家。
そこへ行かれたのは、あなた様の行く末を
太閤殿下も案じておられたからでございましょう」
秀俊は、ちょっと安心したように、
「左様であろうか?」
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事の真相を明らかにしようと、兼続は
石田三成のもとを訪れたが、
三成は会おうとしない。
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伊達政宗(松田龍平)が、
秀次との関わりを詰問されている。
遅れて石田三成もやってくる
「その不審の点とやらを言うてみよ」
「一つ、秀次公と聚楽第で密談したること。
二つ、秀次公と鷹狩りの折、山中で密談したること。
三つ、秀次公より、蔵、帷子、もらいいたること。
はっはっは。政宗は高笑いをすると、
「何とお粗末なことよ。
それが連座の証拠か。」
「し、神妙にお答えなされよ!」
「その方ら、人と会ったら話くらいいたすであろう。
鷹狩りは、口をきかずにするものか?
蔵や帷子を頂けば、謀反に共謀することになるのか?」
石田三成が、
「それでは、秀次公と親しきこと、
認められるのだな」
政宗は、立ちあがって三成に近づくと、
「秀次公は、太閤殿下の御意にかなって
関白になったお方であろうが。
そのお方と親しくしてどこが悪い」
三成も立ちあがり、
「伊達様と秀次公、ほかならぬ御仲であったこと、
よくよくわかりました。
お答えこれにて十分でございます。
追って御沙汰がありましょう」
------
徳川家康(松方弘樹)が北政所(富司純子)
に伊達政宗のとりなしをお願いしている。
「伊達殿がまた無理を押しとおしておるようで」
「ほぅお」
「いや、心配でしての。
ああいう若い、喧嘩好きの御仁は
何かと誤解を受けやすい」
「随分と伊達殿を買っておられるようじゃのう。
わたくしから殿下に申し上げておきましょう」
「かたじけのう存じます」
「これからも気がかりなことがあれば、
何でも言うて下され」
「はっ。はーっ」
-----
兼続がお船と話しながらお茶を飲んでいると、
秀次の正室、側室、若様、姫君など
三十人あまりが、三条河原で処刑されるとの
知らせがとどく。
処刑場に出向いた兼続は、
三成の前で、秀次の一族が殺されるところを
目撃する。
そこには、初音(長澤まさみ)がいた。
「わしは以前より人の心を無くしてはならぬと
三成に忠告してきた。。」
「わかって頂きたいとは申しませぬ。
ただ、兼続さまには、
このことだけは、お伝えせねば。。」
初音が伝えたのは何だったのか。。
-----
この日も三成に会いに来た兼続だったが、
会えないと言われ、帰ろうとしたところ、
お拾い君と遊ぶ秀吉(笹野高史)の目にとまる。
「久しぶりじゃの兼続」
すっかり、御拾い君に夢中の秀吉。
「こっちに来い」
と兼続を連れて行った先の部屋には、
子供用の官衣がかけてあった。
「どうじゃ、よい出来であろうが。
これはな、御拾いが、帝にお目見えする
時のためにつくらせた装束じゃ」
ひそひそ声になると、
「これはな、その方だけに教えるが、
極秘にしておけよ」
「は」
「近々、御拾いに関白を継がせようと
思うておる」
驚く兼続。
「関白?しかし、前(さき)の関白殿下が
亡くなられてまだ日も浅く。。」
にやりとしながら、
「首尾よう、関白席が空になった。
朝廷に頼んで御拾いに官位を授けて頂く。
これは、それに間に合うよう、早めに作らせたのじゃ」
よう似合う、よう似合う。
立派じゃ、立派じゃ」
そこへ、石田三成がやってきた。
兼続がいるのに気づき、驚く。
兼続と目が合い、気まずそうである。
「三成、聚楽第を取り壊せ。
あれがあっては、人はいつまでも
秀次を想い出す」
「しかし、聚楽第は。。」
「よいか、柱一つ、瓦け一つ残してはならぬ。
跡形もなく消してしまえ」
「は」
:
「三成は、存外甘い所があっての。
秀次の妻子まで殺すことはないと、
えろう、とめだてしおった。
謀反人は、一族もろとも根絶やしとする。
これは武士たる者の心得じゃ。
何としても御拾いを守らねばならんでのう。
そうであろう?兼続」
ようやくこれまでの事情がわかった兼続は、
初音から告げられたことを回想していた。
「石田様は、誰よりも痛みを覚えておられる。
これでいいのか、自分は正しい道を進んでいるのか
一人で苦しみ続けていらっしゃる。
わかって頂きたいとは申しませぬ。
ただ、あまりにも不憫で。。」
そして、三成の数々のことばを想い出す。。。
------
秀吉が、御拾い君への忠誠を誓う起請文を
諸大名に求めたため、景勝はじめ、諸大名が
上洛していた。
大名たちが次々と追従の言葉述べ、
上機嫌の秀吉だったが、
「景勝は何かあるかの?」
との問いに、頭だけ下げ「いえ」
ちょっとずっこける。
秀吉が退出したあと、徳川家康が、
秀次の件で、石田三成を責める。
「その方がついておって何をしておったのじゃ。
切腹などという前に打つ手はなかったのか?」
「面目次第もございませぬ」
「あれは太閤殿下の陰謀だ、などという噂が
まことしやかに囁かれておる。
これもすべて、その方のいたらぬ故ぞ!」
そこへ、これまで口を閉ざしていた景勝が、
「お言葉ながら、
左様なお叱りは、道理に合わぬものと
存じまする」
「これは上杉殿。
だしぬけに何を申される」
「治部の少(じぶのしょう)は
太閤殿下の家臣。
主の責めを家臣に求めるは、
ご見当違いも、はなはだしうござる」
「つまり何か?
景勝殿は、此度の件は太閤殿下のご意思であると」
「話をすり替えられまするな。
治部の少(じぶのしょう)を責めるばかりは、
姑息な事と申したまでで」
「んふふふふ。
今日はまた、随分とご饒舌ですな」
「まあまあお二人とも、お控えあれ」
ととりなす前田利家。
------
兼続と景勝。
「殿、感服いたしました」
景勝の発言に、感じ入った兼続だった。
変わってしまった秀吉を押さえられない
三成の苦境を話す兼続。
「豊臣への忠義を誓うておるとはいえ、
あの面々をまとめるのは、生やさしいことでは
あるまい。三成一人ではの。。。。」
それを聞いた兼続は、
「兼続が五人おれば、わが領内は、
やすやすと治まるであろうの」という景勝の
言葉を思い出していた。
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三成のもとを訪れた兼続。
これまで会うのを避け続けていた三成だが、
会う決心をする。
城の上の部屋まで三成を連れだした兼続。
「ここならば、お主と二人で話せると思うてな」
これまで、三成の立場と想いを気づいてやれなかった
ことを詫びる兼続。
「どうだ、一つ政の形を改めてみぬか?」
「どういうことだ?」
「太閤殿下おひとりに、すべての力が集まるのではなく、
大名の中から何人かを選び、それらの合議によって
政をなすのだ」
「何?」
:
「話にならん。
俺が今まで目指していたことを知っているだろう。
殿下のもとにすべての力が集まることこそ大事」
「今の殿下にそれができぬことは、
お主が一番よくわかっておろう」
「いや、しかし。。」
「殿下の罪をかぶることが、忠義ではない」
「兼続。。。」
「今のままでは、豊臣の世は
やがて立ち行かなくなるぞ」
「このご城下が、また戦禍に包まれるような
ことがあってはならぬ」
「その政、お前も手伝うのであろうな」
黙ってにっこりとうなずく兼続。
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「これが大老衆。五人としてみよう。
国の大事を決める者たちだ」
「誰がいい?」
「上杉、前田、毛利、小早川、それに
豊臣の縁戚である宇喜多あたりか。。」
「大老には徳川も入れるのだ」
「徳川はまずい!
家康に余計な力をもたせては、
天下をかすめ取られる」
「いや、今ここで仲間はずれにしては、
それこそ反旗を翻すことになる。
それより敢えて仲間に組み入れ、
何事も徳川の勝手にできぬよう、
大老の一人とし、
他の大老で徳川を見張る」
大老の下には、奉行を置き、
三成自身の他に、兼続を加えようとする
三成だったが、兼続は断る。
「わしは入らぬ」
「何故だ!手伝うと申したであろう」
「上杉は、ここにおる。安心しろ。
わしも、大老上杉の中で腕を
振るわせてもらう」
「頼む」
「ああ」
「だが。。。どのようにして
殿下を説得するか。。。」
いつしか夜も明けていた。。
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前田利家(宇津井健)のもとを訪れた、
石田三成と兼続。
協力を願い出ると、利家は快よく引き受ける。
だが、秀吉を納得させるのは大変そうである。
頭をひねっていた利家は、
何やら策を思いついたようである。
:
怒りに震える秀吉。
「たわけ!たわけ!たわけ!
何を言い出すのかと思うたら、
よいか!
豊臣の主は、このわしと決まっておる。
何故、大老なんぞにまかせねばならんのじゃ!
この、、たわけ!」
「は、しかし。。」
「殿下、恐れながらそれがしも
同じ意見でございまする」と兼続。
「何〜!かぁねつぅぐぅ〜!!
そなたまでわしをばかに。。。
何たる無礼!何たる無礼!!
利家殿、何と思われる!」
「直江山城、何故、このようなことを
思いつきおった?
上杉もつらい想いをしてきたからかの?」
「はっ。
亡き謙信公は一代の英傑でございましたが、
惜しむらくは、この世で最後の仕事をせぬまま
亡くりました」
「最後の仕事?」
「はい。あらかじめ跡継ぎを決めておられなかったのです。
そのために、上杉家には悲しい戦が起こり、
家の力も衰えました。
それほどまでに、巨星墜ちたあとのお家とは揺れるもの。
御拾い君がそのような憂き目に合われぬためにも、
殿下がお元気なうちに、
豊臣家の行く末を盤石のものにしておかねば
なりませぬ」
一瞬、そうか、とうなずきかけた秀吉だったが、
「いや、いやいやいや。
豊臣家の跡取りは御拾いと決まっておる。
謙信公とは違う!」
と、突然泣き出す三成。
三成の様子に驚く秀吉。
「ん、なんじゃ?」
三成、泣きながら、
「お許しあれ。まだあどけない御拾い君を
拝見しておりましたら、つい。。」
「天下広しと言えども、この両名ほど
殿下の御為を考えておる者は
おらぬようでござりますな」と利家。
「これをわかって頂けぬかと、、
三成は、悲しうて、悲しうて。。。」
秀吉もついに、そうなのか、という気になり、
三成のもとに近づくと、心細そうに、
「これが、ほんとに御拾いのためなのじゃの?」
「然り」
三成の背中を叩いてさする秀吉。
どうやら、作戦成功。。
-----
二人きりになり、
吹き出す兼続と三成。
「お主、なかなかの狂言であったぞ」
「お前が声を張り上げておるというに、
俺が何もせぬわけにはいかぬわ」
-----
こうして、小早川、上杉、前田、宇喜多、毛利、
そして徳川の6人の大老に、5人の奉行を加えた
体勢ができあがった。
小早川隆景(横内正)が
「秀家殿のようなお若い大老がおれば
豊臣家はこの先、万々歳じゃ」
と言うと、
「おそれいります」と宇喜多秀家(須賀貴匡)
すかさず、上杉景勝が、
「わしとてまだ若うござる」
さいきんスパイスの効いた景勝公。。
-----
二人きりになった三成と兼続。
「礼を言うぞ。兼続」
「礼には及ばぬ。国の安泰に力を
尽くすのは当たり前のことだ。
この国は、わしの国でもある」
「あの時、狂言ではなかったのだぞ」
「あの時?」
「おまえの気持がうれしくてな」
:
「政の荷は重い。
お主一人で背負うことはない」
-----
淀君(深田恭子)のそばで、
御拾いと遊んでいた秀吉が、突然倒れる。
気づいた淀君「殿下?」
| 豊臣秀次の研究 |
石田三成 直江兼続 上杉景勝 豊臣秀吉 豊臣秀次
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