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第32回 天地人あらすじ「世継ぎの運命(さだめ)」8/9
大河ドラマ天地人 第32話「世継ぎの運命(さだめ)」(8月9日放送)
朝鮮、明国との戦のため、海を渡った上杉景勝(北村一輝)たちは、
熊川(ウンチョン)で城普請にあたっていたが、
戦況はおもわしくなかった。
そこへ、肥前名護屋より、帰国の命が下った。
帰国した上杉景勝と直江兼続(妻夫木聡)は、
大阪城の秀吉に謁見した。
大阪城では、秀吉(笹野高史)、淀君(深田恭子)、
豊臣秀俊(上地雄輔)が生まれたばかりの拾いを
あやして喜んでいる。
秀俊が抱こうとするが、秀吉は
抱かせようとしない。
「淀の、の。。。
淀の大手柄よ」
淀君「殿下は『お拾い』と名づけられて、
生まれてすぐに一度捨てさせたのです。
そうすれば、長生きすると言われて」
秀俊「親父様はもう片時も御拾いのそばを
離れられぬのじゃ」
「当然じゃ。わが子を置いてどこにも行けぬわい」
「親父さま、わしにも抱かせてくれぬか。わが弟!」
「弟?」
「わしが兄じゃ」
「ならぬ」
そう言って、秀俊に渡そうとはしない。
「今度こそ、大切に育てねば。
の、御拾いや〜」
-----
秀吉のもとを下がった景勝と兼続。
「全軍の大将があの始末とはの」
「急な引き上げは、若君のためでありましょう」
「ん」
「しかし、わからなくなりましたな。跡継ぎの行方。
御養子となられて久しい秀俊様にも
殿下はあのように冷たい素振り。
関白の秀次様とて、安心はできませぬ」
「悪いことが起きねばよいがのう」
そこへ、秀俊がやってきた。
「実はな、わしは常々、景勝殿の
口数が少なく、どうどうとしたお振る舞いには
敬服しておるのじゃ。
わしは、この通り口数が大いであろう?
だから親父様にもしょっちゅう言われておるのじゃ。
景勝の爪の垢でも煎じて飲め!
とな」
兼続に近寄ると、
「そなたのことも親父様は褒めておられたぞ。
太閤に説教をした男とな」
「は」
「これからも昵懇にたのむぞ」
-----
お船(常盤貴子)のもとへ帰った兼続
「花には花の役目。
戦が終わったのは、淀の方様のおかげであったか」
「まことに殿御を動かすのは女子かもしれませぬなあ」
「だが、それならば、戦に狩り出されたわれらは、
何だったのであろうの」
:
「もし。
何か気付かれませぬか?」
「え?」
「政所様に頂いのでございます。
いかがでございましょう。
京では今、このような色使いが流行っております」
「うん、よう似合うておる」
「そう言えば、娘たちは元気にしておるかのう」
「はい。かよからの文によれば、
毎日手習いをしておると」
「手習い?」
「父上が何やら頻繁にお出でになり、
熱心に面倒を見て下さるようでございます」
早速仕事を始めようとする兼続に、お船は、
「あなたさま」
「ん?」
「一年半ぶりでございますぞ。
せめて今日くらいは、のんびりなさいませ」
「どうぞ」
そう言ったお船に膝枕をしてもらう兼続
「温かいのう、そなたの膝は」
-----
ある時、景勝と兼続は毛利輝元(中尾彬)の
屋敷に招かれた。
叔父にあたる小早川隆景(横内正)は、毛利家の
後見役を務めていた。
毛利輝元によると、太閤は、秀俊を毛利家に
養子に出そうと考えているらしいとのこと。
それが迷惑な毛利家では、上杉家の方で
引き受けてもらえないか、との相談であった。
「よい話でござろう。
上杉家には、未だ跡継ぎがおられぬ」
「できぬ相談でございます」
きっぱり断る景勝。
それでも引き下がらない輝元。
「実を申せば、困っておるのじゃ。
殿下の申し出を無下に断るわけにもいかぬ。
だが、秀俊様を養子に迎えれば
当家の難儀となるは必定」
「上杉家とて同じでございます」と兼続
「何をおっしゃる。上杉は大事あるまい」
「しかし」
「困りまする」と兼続
「困ることはあるまい」なおも強硬な輝元。
-----
話を聞いた菊姫(比嘉愛未)も怒る。
「何故その場ではっきりとお断り
なされませなんだ」
「断るには断った。
しかし、毛利殿が蒸し返すのじゃ」
兼続「はっきりと伝えねば、
大変なことになるやも知れませんな。
毛利様が太閤殿下に耳打ちをされ、殿下から
養子縁組の命が下ることにでもなれば。。。」
:
お船が、北の政所(富司純子)に事の次第を話す。
「わかった。その話なんとかしよう」
「毛利殿が望んでおられぬとは、
秀俊も不憫じゃのう」
「秀俊は、わが兄の子。
子供のころより我が子同様に育てておった。
再び養子に出さねばならぬとは、
いかなる定めの子なのじゃろう」
-----
北の政所から話を聞いた秀俊が、景勝の
もとにやってきた。
「わしはおやじ様の子じゃ。
もうどこにも養子には行きとうはない。
まして毛利など。
輝元のあの目でジロリと見られただけでも
身震いがする!」
「景勝殿、何とかしてはくれぬか。
兼続!」
頭をさげる秀俊「頼みいる」
兼続が「何とか致しとうございますが。。。」
と言うと、
「まことか?」
しかし「できませぬ」と景勝
「景勝殿、この通りじゃ。
そなたしか頼めるものはおらぬのじゃ」
「それがしも、上杉の養子でございました。
さりながら、それを受け入れ、乗り越えるもまた、侍の道。
今の私があるのは、己の定めを
受け入れたからにございます」
:
「定めには抗えぬもの。
御心中お察し申し上げまする」
秀俊は、翌年、小早川隆景のもとに
養子に出された。
この秀俊こそ、
関ヶ原の戦いにおいて、その勝敗を
左右した人物、小早川秀秋であった。
-----
秀吉が関白秀次のもとに、御拾いのことを
頼みに来ていた。
「のう秀次、何とかならんか?
日本を5つに分けて、4つをそなたに進ぜる。
残る一つを、御拾いにやってくれぬか?
頼む!」頭を下げる秀吉。
秀次は、怒ったような顔で、
何も言わずに席を立つ。
「わしが。。。
このわしが、頭まで下げておるというのに」
「ん、ふふふふふ。。」
「あー!おのれー!」
怒り、ものを投げ付ける秀吉。
「誰の御蔭で関白になれたと思うておる!」
石田三成(小栗旬)が諌める。
「御怒りはごもっともながら、
ここで、力づくで押し通されては、
殿下の御名に傷がつきまする」
「城をつくるぞ!」
「城?でございますか」
「お拾いのための、立派な城をな」
間もなく、全国の大名に向けて
伏見城築城の命が下り、上杉家も4千の人足を
送りこんだ。
-----
文禄三年7月、直江家に待望の男子が誕生した。
景勝が祝いに来て、
「ようやった、お船。
これで直江家にも跡取りができた。
実に目出度いことじゃ」
浮かぬ顔の兼続に景勝、
「どうした?」
「面目ございませぬ。殿には、まだできぬというのに」
「気にするなと言うておろう」
「なれど、奥方様のお気持ちを考えると」
「それは、わしも不憫に思うておるが」
菊姫もお祝いに、やってきた。
「殿もこちらでございましたか。
これをお船にと思うての。
淀川でとれた鯉じゃ。
これを食すると乳の出がよくなると聞く」
「さ、わたくしにも抱かせてくれぬか」
「はい」
「かわいい子じゃ。
よう、寝ておるの」
-----
その年の秋、伏見城が完成し、
諸将がお祝いに続々と登城していた。
徳川家康(松方弘樹)や毛利輝元、上杉景勝らに
御拾い君が、風邪のため目通りできないと、
石田三成が告げる。
徳川家康が石田三成に痛烈な皮肉を言う。
「此度の城の完成、大いに喜ばしいこと。
立派な城じゃ。
出費も厭わず、人手も惜しまず
建てただけのことはある」
「方々のご忠勤ぶり、殿下もお喜びでございます」
「何でも、朝鮮との戦も、此度の城普請も
皆、その方の進言とな」
「ほぉう、それがまことなら秀俊様の件も同様か?」
「殿下もよき知恵袋を持たれたことよ。
のう、治部の少(じぶのしょう)
次は、どんな大仕事を進言するのかのう」
「手加減をしてもらわねば、われら大名は共倒れじゃ」
「国持ちは、苦労が多くてのう。
ま、その方には、とるに足らぬことであろうが」
「まことに」
:
皆が去ったあと、一人残っていた三成が
立って部屋を出ようとすると、
いつのまにか兼続がやってきていた。
そのまま、床に寝ころんだ兼続は、
「どうじゃ、寝ころばぬか。気持ちいいぞ」
と言って大の字になる。
ためらった三成も並んで大の字になる。
「いやみなど気にするな」
「おまえもやつらと同じ気持ちではなかったのか」
「わしは、まっすぐに申した」
「ふん、そうだったな」
「国づくりはまだ始まったばかりじゃ」
「ああ」
「耐えろよ」
「ああ。。。埒もない」
「越後へ戻る。
越後のこれからの道筋を定めるのが、
わしの仕事」
「また、越後へ行きたいな」
「いつでも来い。大いにもてなすぞ」
「では、それまでもうひと頑張りするか」
「ああ」
関ヶ原の戦いまで、あと6年。。。
-----
文禄四年春、越後に戻った兼続は
領内の政を進めて、地方からの国づくりに励んでいた。
泉沢久秀(東幹久)が
子供の学問の師匠に、よい人物がいるらしいと、
兼続に教える。
「うってつけの者が府内湊にいるらしい。
女子なのに大層な学才を持ち、書や茶の湯まで
指南してくれるらしい」
「茶の湯まで。。」
「それも、とびきり美しいらしい」
------
府内湊の若狭屋に出向いた兼続。
主人からいきさつを聞く。
「湊で生き倒れになりかけていたのです。
何とも品格の漂うお人ゆえ、とりあえず
私どもで、お世話を。
すると宿代の代わりに、子供たちに
読み書きを教えて進ぜようとおっしゃいまして」
子供たちに教えている女人に主人が
「おせいがでますな」と声をかけると
出てきたのは。。
利休の娘、お涼(木村佳乃)であった。
お互いに凍りついたように驚き、
見つめ合う二人。
「天下人に逆ろうた利休の娘、
あのまま、上方で暮らすことはなりません」
「何故、越後に?」
「もはや、何処にも
私の住めるとこはございません。
されど、越後の想い出に、
越後の雪解け水を飲んでみたかったのかも
しれません」
:
『まるで雪解け水のようなお方ですね。
あなた様のことが好きになったようで
ございます』
:
「何かわしに助けてやれることはないか?」
「まもなく越後を離れるつもりです。
どうか、おかまいなきように」
兼続が帰ろうとすると、
近在の衆が、家老である直江兼続に礼を言いに
若狭屋に集まってきていた。
皆々から礼を言われる兼続。
その様子をうれしそうに見つめるお涼。
-----
後日、二人の娘をつれて若狭屋にやってきた兼続。
「お涼どの、若狭屋には頼んでおいた。
しばらくこの地で暮らしてみてはどうじゃ」
-----
その頃、京では大変なことが起こっていた。
関白に告げる石田三成。
「恐れながら、関白殿下には謀反の疑い、これあり。
しばらく高野山にて、御謹慎頂きとうございます」
「わしを関白の座から引きずり下ろす口実よ!」
「何、一時のこと。ご心配なされますな」
「これは、親父様の命か?
お主の進言か!」
豊臣秀次の研究
豊臣秀俊 上地雄輔 お涼 豊臣秀次 秀吉
朝鮮、明国との戦のため、海を渡った上杉景勝(北村一輝)たちは、
熊川(ウンチョン)で城普請にあたっていたが、
戦況はおもわしくなかった。
そこへ、肥前名護屋より、帰国の命が下った。
帰国した上杉景勝と直江兼続(妻夫木聡)は、
大阪城の秀吉に謁見した。
大阪城では、秀吉(笹野高史)、淀君(深田恭子)、
豊臣秀俊(上地雄輔)が生まれたばかりの拾いを
あやして喜んでいる。
秀俊が抱こうとするが、秀吉は
抱かせようとしない。
「淀の、の。。。
淀の大手柄よ」
淀君「殿下は『お拾い』と名づけられて、
生まれてすぐに一度捨てさせたのです。
そうすれば、長生きすると言われて」
秀俊「親父様はもう片時も御拾いのそばを
離れられぬのじゃ」
「当然じゃ。わが子を置いてどこにも行けぬわい」
「親父さま、わしにも抱かせてくれぬか。わが弟!」
「弟?」
「わしが兄じゃ」
「ならぬ」
そう言って、秀俊に渡そうとはしない。
「今度こそ、大切に育てねば。
の、御拾いや〜」
-----
秀吉のもとを下がった景勝と兼続。
「全軍の大将があの始末とはの」
「急な引き上げは、若君のためでありましょう」
「ん」
「しかし、わからなくなりましたな。跡継ぎの行方。
御養子となられて久しい秀俊様にも
殿下はあのように冷たい素振り。
関白の秀次様とて、安心はできませぬ」
「悪いことが起きねばよいがのう」
そこへ、秀俊がやってきた。
「実はな、わしは常々、景勝殿の
口数が少なく、どうどうとしたお振る舞いには
敬服しておるのじゃ。
わしは、この通り口数が大いであろう?
だから親父様にもしょっちゅう言われておるのじゃ。
景勝の爪の垢でも煎じて飲め!
とな」
兼続に近寄ると、
「そなたのことも親父様は褒めておられたぞ。
太閤に説教をした男とな」
「は」
「これからも昵懇にたのむぞ」
-----
お船(常盤貴子)のもとへ帰った兼続
「花には花の役目。
戦が終わったのは、淀の方様のおかげであったか」
「まことに殿御を動かすのは女子かもしれませぬなあ」
「だが、それならば、戦に狩り出されたわれらは、
何だったのであろうの」
:
「もし。
何か気付かれませぬか?」
「え?」
「政所様に頂いのでございます。
いかがでございましょう。
京では今、このような色使いが流行っております」
「うん、よう似合うておる」
「そう言えば、娘たちは元気にしておるかのう」
「はい。かよからの文によれば、
毎日手習いをしておると」
「手習い?」
「父上が何やら頻繁にお出でになり、
熱心に面倒を見て下さるようでございます」
早速仕事を始めようとする兼続に、お船は、
「あなたさま」
「ん?」
「一年半ぶりでございますぞ。
せめて今日くらいは、のんびりなさいませ」
「どうぞ」
そう言ったお船に膝枕をしてもらう兼続
「温かいのう、そなたの膝は」
-----
ある時、景勝と兼続は毛利輝元(中尾彬)の
屋敷に招かれた。
叔父にあたる小早川隆景(横内正)は、毛利家の
後見役を務めていた。
毛利輝元によると、太閤は、秀俊を毛利家に
養子に出そうと考えているらしいとのこと。
それが迷惑な毛利家では、上杉家の方で
引き受けてもらえないか、との相談であった。
「よい話でござろう。
上杉家には、未だ跡継ぎがおられぬ」
「できぬ相談でございます」
きっぱり断る景勝。
それでも引き下がらない輝元。
「実を申せば、困っておるのじゃ。
殿下の申し出を無下に断るわけにもいかぬ。
だが、秀俊様を養子に迎えれば
当家の難儀となるは必定」
「上杉家とて同じでございます」と兼続
「何をおっしゃる。上杉は大事あるまい」
「しかし」
「困りまする」と兼続
「困ることはあるまい」なおも強硬な輝元。
-----
話を聞いた菊姫(比嘉愛未)も怒る。
「何故その場ではっきりとお断り
なされませなんだ」
「断るには断った。
しかし、毛利殿が蒸し返すのじゃ」
兼続「はっきりと伝えねば、
大変なことになるやも知れませんな。
毛利様が太閤殿下に耳打ちをされ、殿下から
養子縁組の命が下ることにでもなれば。。。」
:
お船が、北の政所(富司純子)に事の次第を話す。
「わかった。その話なんとかしよう」
「毛利殿が望んでおられぬとは、
秀俊も不憫じゃのう」
「秀俊は、わが兄の子。
子供のころより我が子同様に育てておった。
再び養子に出さねばならぬとは、
いかなる定めの子なのじゃろう」
-----
北の政所から話を聞いた秀俊が、景勝の
もとにやってきた。
「わしはおやじ様の子じゃ。
もうどこにも養子には行きとうはない。
まして毛利など。
輝元のあの目でジロリと見られただけでも
身震いがする!」
「景勝殿、何とかしてはくれぬか。
兼続!」
頭をさげる秀俊「頼みいる」
兼続が「何とか致しとうございますが。。。」
と言うと、
「まことか?」
しかし「できませぬ」と景勝
「景勝殿、この通りじゃ。
そなたしか頼めるものはおらぬのじゃ」
「それがしも、上杉の養子でございました。
さりながら、それを受け入れ、乗り越えるもまた、侍の道。
今の私があるのは、己の定めを
受け入れたからにございます」
:
「定めには抗えぬもの。
御心中お察し申し上げまする」
秀俊は、翌年、小早川隆景のもとに
養子に出された。
この秀俊こそ、
関ヶ原の戦いにおいて、その勝敗を
左右した人物、小早川秀秋であった。
-----
秀吉が関白秀次のもとに、御拾いのことを
頼みに来ていた。
「のう秀次、何とかならんか?
日本を5つに分けて、4つをそなたに進ぜる。
残る一つを、御拾いにやってくれぬか?
頼む!」頭を下げる秀吉。
秀次は、怒ったような顔で、
何も言わずに席を立つ。
「わしが。。。
このわしが、頭まで下げておるというのに」
「ん、ふふふふふ。。」
「あー!おのれー!」
怒り、ものを投げ付ける秀吉。
「誰の御蔭で関白になれたと思うておる!」
石田三成(小栗旬)が諌める。
「御怒りはごもっともながら、
ここで、力づくで押し通されては、
殿下の御名に傷がつきまする」
「城をつくるぞ!」
「城?でございますか」
「お拾いのための、立派な城をな」
間もなく、全国の大名に向けて
伏見城築城の命が下り、上杉家も4千の人足を
送りこんだ。
-----
文禄三年7月、直江家に待望の男子が誕生した。
景勝が祝いに来て、
「ようやった、お船。
これで直江家にも跡取りができた。
実に目出度いことじゃ」
浮かぬ顔の兼続に景勝、
「どうした?」
「面目ございませぬ。殿には、まだできぬというのに」
「気にするなと言うておろう」
「なれど、奥方様のお気持ちを考えると」
「それは、わしも不憫に思うておるが」
菊姫もお祝いに、やってきた。
「殿もこちらでございましたか。
これをお船にと思うての。
淀川でとれた鯉じゃ。
これを食すると乳の出がよくなると聞く」
「さ、わたくしにも抱かせてくれぬか」
「はい」
「かわいい子じゃ。
よう、寝ておるの」
-----
その年の秋、伏見城が完成し、
諸将がお祝いに続々と登城していた。
徳川家康(松方弘樹)や毛利輝元、上杉景勝らに
御拾い君が、風邪のため目通りできないと、
石田三成が告げる。
徳川家康が石田三成に痛烈な皮肉を言う。
「此度の城の完成、大いに喜ばしいこと。
立派な城じゃ。
出費も厭わず、人手も惜しまず
建てただけのことはある」
「方々のご忠勤ぶり、殿下もお喜びでございます」
「何でも、朝鮮との戦も、此度の城普請も
皆、その方の進言とな」
「ほぉう、それがまことなら秀俊様の件も同様か?」
「殿下もよき知恵袋を持たれたことよ。
のう、治部の少(じぶのしょう)
次は、どんな大仕事を進言するのかのう」
「手加減をしてもらわねば、われら大名は共倒れじゃ」
「国持ちは、苦労が多くてのう。
ま、その方には、とるに足らぬことであろうが」
「まことに」
:
皆が去ったあと、一人残っていた三成が
立って部屋を出ようとすると、
いつのまにか兼続がやってきていた。
そのまま、床に寝ころんだ兼続は、
「どうじゃ、寝ころばぬか。気持ちいいぞ」
と言って大の字になる。
ためらった三成も並んで大の字になる。
「いやみなど気にするな」
「おまえもやつらと同じ気持ちではなかったのか」
「わしは、まっすぐに申した」
「ふん、そうだったな」
「国づくりはまだ始まったばかりじゃ」
「ああ」
「耐えろよ」
「ああ。。。埒もない」
「越後へ戻る。
越後のこれからの道筋を定めるのが、
わしの仕事」
「また、越後へ行きたいな」
「いつでも来い。大いにもてなすぞ」
「では、それまでもうひと頑張りするか」
「ああ」
関ヶ原の戦いまで、あと6年。。。
-----
文禄四年春、越後に戻った兼続は
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兼続に教える。
「うってつけの者が府内湊にいるらしい。
女子なのに大層な学才を持ち、書や茶の湯まで
指南してくれるらしい」
「茶の湯まで。。」
「それも、とびきり美しいらしい」
------
府内湊の若狭屋に出向いた兼続。
主人からいきさつを聞く。
「湊で生き倒れになりかけていたのです。
何とも品格の漂うお人ゆえ、とりあえず
私どもで、お世話を。
すると宿代の代わりに、子供たちに
読み書きを教えて進ぜようとおっしゃいまして」
子供たちに教えている女人に主人が
「おせいがでますな」と声をかけると
出てきたのは。。
利休の娘、お涼(木村佳乃)であった。
お互いに凍りついたように驚き、
見つめ合う二人。
「天下人に逆ろうた利休の娘、
あのまま、上方で暮らすことはなりません」
「何故、越後に?」
「もはや、何処にも
私の住めるとこはございません。
されど、越後の想い出に、
越後の雪解け水を飲んでみたかったのかも
しれません」
:
『まるで雪解け水のようなお方ですね。
あなた様のことが好きになったようで
ございます』
:
「何かわしに助けてやれることはないか?」
「まもなく越後を離れるつもりです。
どうか、おかまいなきように」
兼続が帰ろうとすると、
近在の衆が、家老である直江兼続に礼を言いに
若狭屋に集まってきていた。
皆々から礼を言われる兼続。
その様子をうれしそうに見つめるお涼。
-----
後日、二人の娘をつれて若狭屋にやってきた兼続。
「お涼どの、若狭屋には頼んでおいた。
しばらくこの地で暮らしてみてはどうじゃ」
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その頃、京では大変なことが起こっていた。
関白に告げる石田三成。
「恐れながら、関白殿下には謀反の疑い、これあり。
しばらく高野山にて、御謹慎頂きとうございます」
「わしを関白の座から引きずり下ろす口実よ!」
「何、一時のこと。ご心配なされますな」
「これは、親父様の命か?
お主の進言か!」
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第36回 天地人あらすじ「史上最大の密約」9/6
大河ドラマ天地人 第36話「史上最大の密約」(9月6日放送)
慶長4年閏3月3日、前田利家が亡くなったその夜、
福島正則(石原良純)、加藤清正(高橋努)、
黒田長政、細川忠興、浅野幸長、池田・・・
第35回 天地人あらすじ「家康の陰謀」8/30
大河ドラマ天地人 第35話「家康の陰謀」(8月30日放送)
直江兼続(妻夫木聡)が、
父・樋口惣右衛門(高嶋政伸)を連れて、
山の上から若松城を遠く眺めている。
「あれがわれらが新しい・・・
第34回 天地人あらすじ「さらば、越後」8/23
大河ドラマ天地人 第34話「さらば、越後」(8月23日放送)
京の屋敷で仕事をしている直江兼続(妻夫木聡)。
お船(常盤貴子)と話していると、
石田三成(小栗旬)からの急な使者。
呼び・・・
第33回 天地人あらすじ「五人の兼続」8/16
大河ドラマ天地人 第33話「五人の兼続」(8月16日放送)
直江兼続(妻夫木聡)が家老になって15年、今や
上杉家の重要事は兼続がすべて采配していた。
この日も、兼続が多くの指図をして、・・・
第31回 天地人あらすじ「愛の花戦(はないくさ)」8/2
大河ドラマ天地人 第31話「愛の花戦(はないくさ)」(8月2日放送)
天正19年7月、菊姫とお船を京に送り出した
上杉景勝(北村一輝)と直江兼続(妻夫木聡)は、
出羽庄内の一揆鎮圧のため出兵・・・
第30回 天地人あらすじ「女たちの上洛」7/26
大河ドラマ天地人 第30話「女たちの上洛」(7月26日放送)
戦が終わったことを喜ぶ、
直江兼続(妻夫木聡)とお船(常盤貴子)
だが兼続には、気がかりなことがあった。
関白秀吉(笹・・・
第29回 天地人あらすじ「天下統一」7/19
大河ドラマ天地人 第29話「天下統一」(7月19日放送)
天正17年11月、秀吉は、北条氏に宣戦布告。
上杉景勝(北村一輝)は、戦を前に
家臣一同の前で告げる。
「よいか者ども・・・
第28回 天地人あらすじ「北の独眼竜」7/12
大河ドラマ天地人 第28話「北の独眼竜」(7月12日放送)
天正17年3月、お船(常盤貴子)は
出産を控えて春日山から与板城に戻っていた。
樋口惣右衛門(高嶋政伸)と
後妻・およし(西・・・
第27回 天地人あらすじ「与六と与七」7/5
大河ドラマ天地人 第27話「与六と与七」(7月5日放送)
天正15年10月、上杉景勝(北村一輝)は、
越後全土を平定した。
父・樋口惣右衛門(高嶋政伸)と
後妻・およし(西原亜希)・・・














