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第27回 天地人あらすじ「与六と与七」7/5
大河ドラマ天地人 第27話「与六と与七」(7月5日放送)
天正15年10月、上杉景勝(北村一輝)は、
越後全土を平定した。
父・樋口惣右衛門(高嶋政伸)と
後妻・およし(西原亜希)に女の子が生まれ、
直江兼続(妻夫木聡)の屋敷を訪れていた。
兼続と親子ほども年の離れた妹になる。
惣右衛門は兼続に、
「兄ではなく父にならねばの」
と子供を急かす。
かよ(あき竹城)も
「私も早く見てみたいものです。
二人の御子を」
気まづくなったお船(常盤貴子)は、
話をそらそうと、
「そう言えば、実頼殿が
まだお見えになりませぬなあ」
「そうじゃのう。あやつもこの子に
逢うのを楽しみにしておったのに」
-----
小国実頼(小泉孝太郎)は、その頃、
妻の両親を迎え、目立った手柄がないことを
責められていた。
義父の小国重頼(牧村泉三郎)が尋ねる。
「実頼殿は今、何の仕事を任されておられる?」
「は、おもに兄・兼続の補佐役でございます。
先日からは、お城の蔵をまかされるようになり。。」
「ま、何とも見映えがせぬこと」
義母・律(福井裕子)も手厳しい。
妻のお栄(小沢真珠)も、
「私も情けのうございます。
せっかく、父上、母上がいらっしゃったというに
お話できる手柄もないとは」
「実頼殿、わかっておろうな。
小国家は源氏の流れをくむ由緒ある家柄」
「その名に恥じぬ働きをしてもらわねば
小国の家が廃れます」
「はっ。。。」
-----
その夜、結局来なかった実頼のことを
心配そうに語り合う、兼続とお船。
与七(実頼)のことを気遣う兼続に、
お船は、
「その言い方、まるであなた様が
父親のようでございますなあ。
子供扱いされては、実頼殿が気の毒でございます」
「何を言う。
与七のことを一番よく知っているのは、わしじゃ。
わしがよく目配りしてやらねば。。」
「はい。はい。
わかっております」
-----
上杉景勝は、実頼に命じた。
「小国与七実頼」
「はっ」
「聚楽第御落成お祝いのため、使者を
関白殿下のもとに遣わすことにした。
この役目、そちに命じる」
「は?」
「そなたが殿のご名代として、上洛するということじゃ」
兼続が説明する。
「まことでございますか?」
「頼んだぞ」
「ありがたき幸せ。この実頼、見事役目を
果たして御覧にいれまする」
屋敷に戻った実頼、うれしそうに
「お栄!大任を仰せつかった!
殿のご名代じゃ!」
「そうでございますか」
そっけない態度のお栄に
「なんじゃ。喜んではくれぬのか」
「それしきのこと。もっと早くに
まかされてもよかったのでは、
ございませぬか?」
「上方では、群を抜くお働きをなされ、
兄上をしのぐほどに、ご出世遊ばされませ」
「出世、出世と、そればかり口にされても。。」
「お前様は!
源氏の流れをくむ
小国家の婿なのでございます。
お忘れなきように」
言い捨てて座を立つ、お栄。
残された兜を見つめ、突然怒りにかられた実頼は、
兜をつかみ、振り上げて叩きつけようとするが。。
思いとどまり、座り込む。
-----
上洛した実頼は、
関白秀吉(笹野高史)の前で、歌を詠んでいた。
そこへ茶々(深田恭子)が登場。
「小さい国と書いての。『おぐに』じゃ」
秀吉が茶々に名前の説明をする。
「小さい国。。。」
「ん」
「そなたには、和歌の才があるようじゃ」
「御褒めに預かり、光栄でございます」
「しかし、名がそなたの才に合うておらぬ。
もっと大きくするがよい」
「は?」
「大きい国の『おおくに』と名乗るがよい」
「は?」
「おもしろいことを申すのう!」
「ん。確かに名は体を表す。
わしも初めて城持ちとなった時に、
今浜を長浜と改めた。わしの栄華が
末永く続くように願っての」
「なれど、
小国は先祖より受け継いできた大切な姓。
わたくしの一存にては。。」
「名の通り、小さい男でございますのう」
「これ、茶々。口がすぎるぞ」
「これはすまぬ。
実頼殿を、怖がらせてしもうたようじゃのう」
-----
秀吉は、徳川家康(松方弘樹)を待たせた部屋に、
実頼をつれていく。
恐縮しまくる実頼。
家康が
「かような御仁までが従うとなれば、
天下はますます盤石でございりまするな」
秀吉は「そういうことじゃ」
「はっはっはっつ」
不自然に笑い合う二人。
「では、しばしごめん。
こやつに邸内を一渡り見せてやろうと思うてな」
実頼を連れ出す秀吉。
残された家康と本多正信(松山政路)
「やれやれ、わざわざ呼びつけたは、
このことでござったか。
豊臣と上杉の固い結びつきを見せつけ、
徳川への抑えにしようと」
「ふー。埒もない」
-----
実頼は、先に立って案内する秀吉に、
「わたくしのことなど、どうぞ後回しに。
徳川様をお待たせするなど」
ひたすら恐縮する実頼だが
「構わぬ。いくらでもまたせておけ」
冷たく言い放つ秀吉。
秀吉は、立ち止まると
「兼続は息災にしておるか」
「わしゃぁ、あいつが好きでのう。
諸国広しと言えども、あれほど優れた侍はおらぬ」
ふと気がついたように、
控える実頼を覗き込むと、
「しかし、それ以上に優れたるは、
そなたかも知れぬのう。
うん。うん。うん」
「まばゆいばかりの才覚がありながら、
あくまでも陰に徹し、兄を支える」
「いえ、当然の勤めを
果たしているだけでございます。
わが兄こそ、上杉第一の家臣でございますれば」
「ごまかすでない。
わしゃぁ、そなたの気持ちがよぉ〜お、わかる」
「わしもの、いつも二番手であった。
信長様の第一の家臣になりとうても、
いっつも、『柴田』や『明智』がおってのう」
「殿下。。。」
「よしっ!
そなたに官位でも授けるか」
「同じ苦しみを知る者どおし、
信頼の証としての」
「そのようなもったいない、お言葉を」ひれ伏す実頼。
「何を言う。面を上げよ」
「これからはの、
わしを京の父と思うてくれ」と親しげに
実頼の背中をさする秀吉だった。
-----
兼続は、お船に酌をしてもらいながら
実頼のことを話している。
「京は何かと勝手が違うからのう。
表向きはきらびやかじゃが、
何が潜んでおるかわからぬ」
「京とはそのような所でございましたか」
「あやつには、歌の才もある。
艶やかな女子にたぶらかされねばよいが」
「お前さまは、たぶらかされたので、
ございますか?」
「えっつ?
な、何を言うのじゃ」慌てる兼続。
「何をあわてておられるのです」
「あわててなどおらぬ」
「酒だ!酒」杯を差し出すが、
酌をしようとしないお船。
「もうよい!」自分でつごうとする兼続。
「わたくしが!」「よい」
「お二人とも!」突然、
かよが襖をあける。
「今宵はここまででございます。
お床の支度ができてございます」
-----
春日山にもどった実頼。
様子が変わった実頼に、
上田衆の皆も、都人(みやこびと)のようじゃ
とにこやかに言いあう。
実頼の変化を疑問に思った兼続は、
不機嫌そうに「して、首尾は」
即答しない実頼。
「どうした」重ねて問う兼続。
「殿下から、官位と新たな名字を
賜りましてございます」
なんだと?という表情の兼続。
「従五位下(じゅごいのげ)、但馬守(たじまのかみ)
大国実頼(おおくにさねより)と
名を改めることになったのです。」
「殿に無断ではありましたが、
これは、関白殿下の命。
上杉の名誉と思い、ありがたくお受けいたしました。
これほどまでに、御取り立て頂いたとあらば
上杉の行く末も安泰でございましょう」
得意げな実頼。
「何故、断らなかった」
「えっつ?」驚く実頼。
「自分は上杉景勝の名代として
まかりこしただけと申すこともできたはず」
「これはしたり。
わたしは、殿下のお褒めに預かったのでございますぞ。
それを何故、むげに御断りせねばなりませぬ」
「上杉には、上杉のやり方があるからじゃ!
関白殿下のご機嫌取りなどいらぬ!」
泉沢久秀(東幹久)がとりなそうとする。
「兼続、実頼とて、よかれと思うて受けてきたのじゃ」
「ささいなことから道を踏み外していくのじゃ!」
「たとえ誰が相手であろうと、
断固たる信念を貫くのが上杉じゃ。
与七なら、その分別があると思うたが、
大役を任せるには、まだまだだったのう」
「妬んでおいでか」
何?とにらむ兼続。
「兄上より先に私が官位を頂いたことを」
「実頼。。」たしなめる泉沢。
「私に手柄を取られたのが、
お気に召さぬのでございましょう」
兼続は立ちあがり、実頼を殴り倒す。
「与七!そなた」怒りに震える兼続。
「与七、与七とは!」
つかみかかろうとする実頼と
相手をしようとする兼続を
押しとどめる上田衆の面々。
「与七ではござらぬ!!」
-----
景勝に謝る兼続。
「此度の不祥事は未熟な実頼を名代に推した
私のせいでございます」
「殿下も難儀なことをしてくれたものよ」
「官位は実頼の手柄として有り難く受け取るがよい。
姓を変えたは、わしの命としよう」
「殿。。」
「これで諸事丸く収まろう」
「かたじけのうございます」
-----
小国家の屋敷では、
「さすが小国の婿どの。
上杉の家中で官位を頂いたのは、
実頼殿だけ!」
「小さな国の小国家が、
直江家を越えたのじゃ!」
「父上、母上!
わたしには、最初からわかっておりました。
実頼さまの器量は、源平以来の名門小国に
ふさわしいものと!」
騒ぎをよそに、兼続に殴られた頬を
さすりながら物思いに沈む実頼。
一方、兼続も、実頼との思い出に
想いを馳せる。
「うまくいかぬもんじゃのう。。」
-----
秀吉から、景勝と兼続に
官位を授けるという書状が届き、
上洛を促してきた。
「殿下は家臣の結束を固めたいのであろう」
「官位をやれば、尻尾を振ってくるという
関白殿下の御考え、
全く、われらを見くびっておられる!」
怒る兼続であった。
-----
二度目の上洛を果たした、景勝と兼続に
今回は、実頼も同行した。
石田三成(小栗旬)を通し、内々に関白殿下に
目通りを願う。
まずは、官位を頂くことに礼を述べる兼続だったが、
「しかし、それとて度をすごされては、
恐れながら、了見違いかと存じます」
驚いて、兼続を見る実頼。
「りょ、了見違いとな?」
「はい。
褒美が篤ければ篤いほど、唯々諾々と
我らが従うと御考えならば、
左様な官位など無用にございます」
「兄上、殿下に対して、無礼がすぎまするぞ」
とんでもないことを言い出した兄に、必死の実頼。
兼続、意に介さず、
「殿下が人心をつなぎ止めようとなさる
お気持ちは重々わかっておりまする。
しかし、われらまで御疑いとは、情けなや。
われらは殿下の御為、天下安寧のため、
水火も厭いませぬ。
何卒、われらの偽りなき心中を
御信じ下さりませ」
何ということを。。という顔の実頼。
「すまぬ」
秀吉の言葉に驚愕する実頼。
「まことにすまぬ。
軽はずみなことをいたした。
まこと自分が恥ずかしい。
は〜っ」
目を見張り、兼続を見つめる実頼。。
-----
北政所(富司純子)の膝枕で、
耳掃除してもらっている秀吉。
「全く、直江殿には頭が上がりませぬなあ。
上杉の気骨は十分御存じのはずなのに。
いくら茶々どのにそそのかされたとはいえ」
「そそのかされたわけでは。。」
「心配なのは、茶々どの。
何を考えておられるのやら。
のちのち、火種にならぬとよいのでございますが」
------
(管理人注:
どうやら、
秀吉が官位を与えようとしたことを謝罪した後、
それでも官位は受けてほしいと懇願し、
兼続が最後には了承するシーンがカットされて
いるようである。
したがって、これからのシーンは視聴者にとっては
驚愕!のシーン。
えっつ、なんで?話が違う。。。って )
秀吉は、景勝と兼続に結局官位を授けることになった。
石田三成が官位の授与を告げる。
「このたび、上杉景勝様
従四位下(じゅしいのげ)参議(さんぎ)に
推挙されましてございます」
「は」
「さらに、同じく直江兼続殿は
従五位下(じゅごいのげ)山城守(やましろのかみ)
に任ぜられまする」
「ありがたくお受けいたします」
満足そうにうなずく、関白秀吉。。
-----
ある日兼続は、徳川家康から
千利休(神山繁)の茶室に招かれた。
「評判の『愛』の旗印、
あれはいかなる所以のものかの。
どうも、わしのような無学のものには、
ようわからんで」
「左様でございましたか。
申さばあれは、仁愛の『愛』でございます。」
「ほう?」
「故郷、民、家族を慈しむ心こそ、
私が守るべき心」
「はっはっは。左様であったか。
これは、思いもよらなんだ。
いや、実に面白い。。。。」
「はぁ。。。
しかし、『愛』の一字で世の中、治まるものかのう。
親兄弟といえども、殺しあう乱世であるからして」
-----
水盤を見つめる実頼。
兄、兼続との思い出に
想いを馳せる。。
そこへ、お涼(木村佳乃)が通りかかる
「え〜っつ?直江様の弟様!?」
「はい」
「そうでございましたかぁ〜」
「直江様は、京で一、二を争う評判のお方。
武芸のみならず、詩歌の才にも秀で、
方々から、次はいつ御上洛されるのか御存じか?
などと聞かれ、困っておりました。
その方の弟ならば、あなたさまもさぞ、
鼻が高いのでありましょうなあ」
「鼻を高くしている時は、
もうとうに過ぎました」
「どういうことでございますか?」
「いえ、別に。。。」
「お涼様と申されましたか」
「はい」
「よろしければ茶の手ほどきをお願いしたい。
ひとつくらい、
兄よりうまくできるものが欲しいのです」
-----
一月後、上杉が越後に戻る日も近いある日、
実頼が兼続に茶をふるまっている。
「うまい!
お主、いつのまに腕を上げたのじゃ」
褒める兼続に、
「私を京にお残し下さいませ」とお願いする実頼。
「しばし、兄上と離れていたいのでございます」
ショックを受ける兼続。
「わしは、そなたの。。。。
わが弟のためと思い、
微に細に手ほどきもしてきたのだ」
「その気持ちはありがたく思っております。
しかし、
それが心苦しうもございます。
幼き頃から、兄上はいつもわたしを
助けて下さいました。
そしていつか、わたしは心の中で、
いつでも兄上が助けてくれると
思うようになっていました。
兄上の優しさが、その御心が、
わたしをだめにするのでございます」
「与七。。」
「京の地に1人あって、兄上に甘えることなく、
おのが力をせいいっぱい試しとうございます。
何卒、お聞きとどけ下さい。何卒!」
こうして大国実頼は京に残り、
上杉家と豊臣政権をつなぐ役割を
果たすことになった。
-----
春日山に戻った兼続が、
庭で夜空を眺めている。
「久々に見る春日山の夜空は
いかがでございます?」
「あー。美しいのう。。。」
「わしは。。。。
間違っておったのか。
大事なものを守ろうと、
手をかけすぎておったのかも知れぬ」
愛の一字を掲げておる身でのう」
「では、仁愛のお気持ちは
誤りであったかもしれぬと。。。」
「そうでございますか。
それは、困りますなあ。
確かな愛を育めぬ親のもとに生まれてくる子が、
かわいそうでございます」
「今。。。何と。。」
恥ずかしそうに
うれしそうにうなずくお船。
「もしや。。。」
兼続を笑顔で見つめるお船。。。
「子が。。できたのか?」
「はい。
それ故、あなた様にも
しっかりして頂かねば」
「わしに。。子が。。
そうか。。そうか!
でかしたぞ!お船!!」
「子じゃ!
わしらの子じゃ!!」
見つめあい、喜び合う二人で会った。
茶々−天涯の貴妃− 和央ようか
【ムービー・マスターピース】『GOEMON The Movie』1/6スケールフィギュア 浅井 茶々
茶々と秀吉
tag:大国実頼 直江兼続 茶々 秀吉 小泉孝太郎 深田恭子 妻夫木聡
天正15年10月、上杉景勝(北村一輝)は、
越後全土を平定した。
父・樋口惣右衛門(高嶋政伸)と
後妻・およし(西原亜希)に女の子が生まれ、
直江兼続(妻夫木聡)の屋敷を訪れていた。
兼続と親子ほども年の離れた妹になる。
惣右衛門は兼続に、
「兄ではなく父にならねばの」
と子供を急かす。
かよ(あき竹城)も
「私も早く見てみたいものです。
二人の御子を」
気まづくなったお船(常盤貴子)は、
話をそらそうと、
「そう言えば、実頼殿が
まだお見えになりませぬなあ」
「そうじゃのう。あやつもこの子に
逢うのを楽しみにしておったのに」
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小国実頼(小泉孝太郎)は、その頃、
妻の両親を迎え、目立った手柄がないことを
責められていた。
義父の小国重頼(牧村泉三郎)が尋ねる。
「実頼殿は今、何の仕事を任されておられる?」
「は、おもに兄・兼続の補佐役でございます。
先日からは、お城の蔵をまかされるようになり。。」
「ま、何とも見映えがせぬこと」
義母・律(福井裕子)も手厳しい。
妻のお栄(小沢真珠)も、
「私も情けのうございます。
せっかく、父上、母上がいらっしゃったというに
お話できる手柄もないとは」
「実頼殿、わかっておろうな。
小国家は源氏の流れをくむ由緒ある家柄」
「その名に恥じぬ働きをしてもらわねば
小国の家が廃れます」
「はっ。。。」
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その夜、結局来なかった実頼のことを
心配そうに語り合う、兼続とお船。
与七(実頼)のことを気遣う兼続に、
お船は、
「その言い方、まるであなた様が
父親のようでございますなあ。
子供扱いされては、実頼殿が気の毒でございます」
「何を言う。
与七のことを一番よく知っているのは、わしじゃ。
わしがよく目配りしてやらねば。。」
「はい。はい。
わかっております」
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上杉景勝は、実頼に命じた。
「小国与七実頼」
「はっ」
「聚楽第御落成お祝いのため、使者を
関白殿下のもとに遣わすことにした。
この役目、そちに命じる」
「は?」
「そなたが殿のご名代として、上洛するということじゃ」
兼続が説明する。
「まことでございますか?」
「頼んだぞ」
「ありがたき幸せ。この実頼、見事役目を
果たして御覧にいれまする」
屋敷に戻った実頼、うれしそうに
「お栄!大任を仰せつかった!
殿のご名代じゃ!」
「そうでございますか」
そっけない態度のお栄に
「なんじゃ。喜んではくれぬのか」
「それしきのこと。もっと早くに
まかされてもよかったのでは、
ございませぬか?」
「上方では、群を抜くお働きをなされ、
兄上をしのぐほどに、ご出世遊ばされませ」
「出世、出世と、そればかり口にされても。。」
「お前様は!
源氏の流れをくむ
小国家の婿なのでございます。
お忘れなきように」
言い捨てて座を立つ、お栄。
残された兜を見つめ、突然怒りにかられた実頼は、
兜をつかみ、振り上げて叩きつけようとするが。。
思いとどまり、座り込む。
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上洛した実頼は、
関白秀吉(笹野高史)の前で、歌を詠んでいた。
そこへ茶々(深田恭子)が登場。
「小さい国と書いての。『おぐに』じゃ」
秀吉が茶々に名前の説明をする。
「小さい国。。。」
「ん」
「そなたには、和歌の才があるようじゃ」
「御褒めに預かり、光栄でございます」
「しかし、名がそなたの才に合うておらぬ。
もっと大きくするがよい」
「は?」
「大きい国の『おおくに』と名乗るがよい」
「は?」
「おもしろいことを申すのう!」
「ん。確かに名は体を表す。
わしも初めて城持ちとなった時に、
今浜を長浜と改めた。わしの栄華が
末永く続くように願っての」
「なれど、
小国は先祖より受け継いできた大切な姓。
わたくしの一存にては。。」
「名の通り、小さい男でございますのう」
「これ、茶々。口がすぎるぞ」
「これはすまぬ。
実頼殿を、怖がらせてしもうたようじゃのう」
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秀吉は、徳川家康(松方弘樹)を待たせた部屋に、
実頼をつれていく。
恐縮しまくる実頼。
家康が
「かような御仁までが従うとなれば、
天下はますます盤石でございりまするな」
秀吉は「そういうことじゃ」
「はっはっはっつ」
不自然に笑い合う二人。
「では、しばしごめん。
こやつに邸内を一渡り見せてやろうと思うてな」
実頼を連れ出す秀吉。
残された家康と本多正信(松山政路)
「やれやれ、わざわざ呼びつけたは、
このことでござったか。
豊臣と上杉の固い結びつきを見せつけ、
徳川への抑えにしようと」
「ふー。埒もない」
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実頼は、先に立って案内する秀吉に、
「わたくしのことなど、どうぞ後回しに。
徳川様をお待たせするなど」
ひたすら恐縮する実頼だが
「構わぬ。いくらでもまたせておけ」
冷たく言い放つ秀吉。
秀吉は、立ち止まると
「兼続は息災にしておるか」
「わしゃぁ、あいつが好きでのう。
諸国広しと言えども、あれほど優れた侍はおらぬ」
ふと気がついたように、
控える実頼を覗き込むと、
「しかし、それ以上に優れたるは、
そなたかも知れぬのう。
うん。うん。うん」
「まばゆいばかりの才覚がありながら、
あくまでも陰に徹し、兄を支える」
「いえ、当然の勤めを
果たしているだけでございます。
わが兄こそ、上杉第一の家臣でございますれば」
「ごまかすでない。
わしゃぁ、そなたの気持ちがよぉ〜お、わかる」
「わしもの、いつも二番手であった。
信長様の第一の家臣になりとうても、
いっつも、『柴田』や『明智』がおってのう」
「殿下。。。」
「よしっ!
そなたに官位でも授けるか」
「同じ苦しみを知る者どおし、
信頼の証としての」
「そのようなもったいない、お言葉を」ひれ伏す実頼。
「何を言う。面を上げよ」
「これからはの、
わしを京の父と思うてくれ」と親しげに
実頼の背中をさする秀吉だった。
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兼続は、お船に酌をしてもらいながら
実頼のことを話している。
「京は何かと勝手が違うからのう。
表向きはきらびやかじゃが、
何が潜んでおるかわからぬ」
「京とはそのような所でございましたか」
「あやつには、歌の才もある。
艶やかな女子にたぶらかされねばよいが」
「お前さまは、たぶらかされたので、
ございますか?」
「えっつ?
な、何を言うのじゃ」慌てる兼続。
「何をあわてておられるのです」
「あわててなどおらぬ」
「酒だ!酒」杯を差し出すが、
酌をしようとしないお船。
「もうよい!」自分でつごうとする兼続。
「わたくしが!」「よい」
「お二人とも!」突然、
かよが襖をあける。
「今宵はここまででございます。
お床の支度ができてございます」
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春日山にもどった実頼。
様子が変わった実頼に、
上田衆の皆も、都人(みやこびと)のようじゃ
とにこやかに言いあう。
実頼の変化を疑問に思った兼続は、
不機嫌そうに「して、首尾は」
即答しない実頼。
「どうした」重ねて問う兼続。
「殿下から、官位と新たな名字を
賜りましてございます」
なんだと?という表情の兼続。
「従五位下(じゅごいのげ)、但馬守(たじまのかみ)
大国実頼(おおくにさねより)と
名を改めることになったのです。」
「殿に無断ではありましたが、
これは、関白殿下の命。
上杉の名誉と思い、ありがたくお受けいたしました。
これほどまでに、御取り立て頂いたとあらば
上杉の行く末も安泰でございましょう」
得意げな実頼。
「何故、断らなかった」
「えっつ?」驚く実頼。
「自分は上杉景勝の名代として
まかりこしただけと申すこともできたはず」
「これはしたり。
わたしは、殿下のお褒めに預かったのでございますぞ。
それを何故、むげに御断りせねばなりませぬ」
「上杉には、上杉のやり方があるからじゃ!
関白殿下のご機嫌取りなどいらぬ!」
泉沢久秀(東幹久)がとりなそうとする。
「兼続、実頼とて、よかれと思うて受けてきたのじゃ」
「ささいなことから道を踏み外していくのじゃ!」
「たとえ誰が相手であろうと、
断固たる信念を貫くのが上杉じゃ。
与七なら、その分別があると思うたが、
大役を任せるには、まだまだだったのう」
「妬んでおいでか」
何?とにらむ兼続。
「兄上より先に私が官位を頂いたことを」
「実頼。。」たしなめる泉沢。
「私に手柄を取られたのが、
お気に召さぬのでございましょう」
兼続は立ちあがり、実頼を殴り倒す。
「与七!そなた」怒りに震える兼続。
「与七、与七とは!」
つかみかかろうとする実頼と
相手をしようとする兼続を
押しとどめる上田衆の面々。
「与七ではござらぬ!!」
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景勝に謝る兼続。
「此度の不祥事は未熟な実頼を名代に推した
私のせいでございます」
「殿下も難儀なことをしてくれたものよ」
「官位は実頼の手柄として有り難く受け取るがよい。
姓を変えたは、わしの命としよう」
「殿。。」
「これで諸事丸く収まろう」
「かたじけのうございます」
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小国家の屋敷では、
「さすが小国の婿どの。
上杉の家中で官位を頂いたのは、
実頼殿だけ!」
「小さな国の小国家が、
直江家を越えたのじゃ!」
「父上、母上!
わたしには、最初からわかっておりました。
実頼さまの器量は、源平以来の名門小国に
ふさわしいものと!」
騒ぎをよそに、兼続に殴られた頬を
さすりながら物思いに沈む実頼。
一方、兼続も、実頼との思い出に
想いを馳せる。
「うまくいかぬもんじゃのう。。」
-----
秀吉から、景勝と兼続に
官位を授けるという書状が届き、
上洛を促してきた。
「殿下は家臣の結束を固めたいのであろう」
「官位をやれば、尻尾を振ってくるという
関白殿下の御考え、
全く、われらを見くびっておられる!」
怒る兼続であった。
-----
二度目の上洛を果たした、景勝と兼続に
今回は、実頼も同行した。
石田三成(小栗旬)を通し、内々に関白殿下に
目通りを願う。
まずは、官位を頂くことに礼を述べる兼続だったが、
「しかし、それとて度をすごされては、
恐れながら、了見違いかと存じます」
驚いて、兼続を見る実頼。
「りょ、了見違いとな?」
「はい。
褒美が篤ければ篤いほど、唯々諾々と
我らが従うと御考えならば、
左様な官位など無用にございます」
「兄上、殿下に対して、無礼がすぎまするぞ」
とんでもないことを言い出した兄に、必死の実頼。
兼続、意に介さず、
「殿下が人心をつなぎ止めようとなさる
お気持ちは重々わかっておりまする。
しかし、われらまで御疑いとは、情けなや。
われらは殿下の御為、天下安寧のため、
水火も厭いませぬ。
何卒、われらの偽りなき心中を
御信じ下さりませ」
何ということを。。という顔の実頼。
「すまぬ」
秀吉の言葉に驚愕する実頼。
「まことにすまぬ。
軽はずみなことをいたした。
まこと自分が恥ずかしい。
は〜っ」
目を見張り、兼続を見つめる実頼。。
-----
北政所(富司純子)の膝枕で、
耳掃除してもらっている秀吉。
「全く、直江殿には頭が上がりませぬなあ。
上杉の気骨は十分御存じのはずなのに。
いくら茶々どのにそそのかされたとはいえ」
「そそのかされたわけでは。。」
「心配なのは、茶々どの。
何を考えておられるのやら。
のちのち、火種にならぬとよいのでございますが」
------
(管理人注:
どうやら、
秀吉が官位を与えようとしたことを謝罪した後、
それでも官位は受けてほしいと懇願し、
兼続が最後には了承するシーンがカットされて
いるようである。
したがって、これからのシーンは視聴者にとっては
驚愕!のシーン。
えっつ、なんで?話が違う。。。って )
秀吉は、景勝と兼続に結局官位を授けることになった。
石田三成が官位の授与を告げる。
「このたび、上杉景勝様
従四位下(じゅしいのげ)参議(さんぎ)に
推挙されましてございます」
「は」
「さらに、同じく直江兼続殿は
従五位下(じゅごいのげ)山城守(やましろのかみ)
に任ぜられまする」
「ありがたくお受けいたします」
満足そうにうなずく、関白秀吉。。
-----
ある日兼続は、徳川家康から
千利休(神山繁)の茶室に招かれた。
「評判の『愛』の旗印、
あれはいかなる所以のものかの。
どうも、わしのような無学のものには、
ようわからんで」
「左様でございましたか。
申さばあれは、仁愛の『愛』でございます。」
「ほう?」
「故郷、民、家族を慈しむ心こそ、
私が守るべき心」
「はっはっは。左様であったか。
これは、思いもよらなんだ。
いや、実に面白い。。。。」
「はぁ。。。
しかし、『愛』の一字で世の中、治まるものかのう。
親兄弟といえども、殺しあう乱世であるからして」
-----
水盤を見つめる実頼。
兄、兼続との思い出に
想いを馳せる。。
そこへ、お涼(木村佳乃)が通りかかる
「え〜っつ?直江様の弟様!?」
「はい」
「そうでございましたかぁ〜」
「直江様は、京で一、二を争う評判のお方。
武芸のみならず、詩歌の才にも秀で、
方々から、次はいつ御上洛されるのか御存じか?
などと聞かれ、困っておりました。
その方の弟ならば、あなたさまもさぞ、
鼻が高いのでありましょうなあ」
「鼻を高くしている時は、
もうとうに過ぎました」
「どういうことでございますか?」
「いえ、別に。。。」
「お涼様と申されましたか」
「はい」
「よろしければ茶の手ほどきをお願いしたい。
ひとつくらい、
兄よりうまくできるものが欲しいのです」
-----
一月後、上杉が越後に戻る日も近いある日、
実頼が兼続に茶をふるまっている。
「うまい!
お主、いつのまに腕を上げたのじゃ」
褒める兼続に、
「私を京にお残し下さいませ」とお願いする実頼。
「しばし、兄上と離れていたいのでございます」
ショックを受ける兼続。
「わしは、そなたの。。。。
わが弟のためと思い、
微に細に手ほどきもしてきたのだ」
「その気持ちはありがたく思っております。
しかし、
それが心苦しうもございます。
幼き頃から、兄上はいつもわたしを
助けて下さいました。
そしていつか、わたしは心の中で、
いつでも兄上が助けてくれると
思うようになっていました。
兄上の優しさが、その御心が、
わたしをだめにするのでございます」
「与七。。」
「京の地に1人あって、兄上に甘えることなく、
おのが力をせいいっぱい試しとうございます。
何卒、お聞きとどけ下さい。何卒!」
こうして大国実頼は京に残り、
上杉家と豊臣政権をつなぐ役割を
果たすことになった。
-----
春日山に戻った兼続が、
庭で夜空を眺めている。
「久々に見る春日山の夜空は
いかがでございます?」
「あー。美しいのう。。。」
「わしは。。。。
間違っておったのか。
大事なものを守ろうと、
手をかけすぎておったのかも知れぬ」
愛の一字を掲げておる身でのう」
「では、仁愛のお気持ちは
誤りであったかもしれぬと。。。」
「そうでございますか。
それは、困りますなあ。
確かな愛を育めぬ親のもとに生まれてくる子が、
かわいそうでございます」
「今。。。何と。。」
恥ずかしそうに
うれしそうにうなずくお船。
「もしや。。。」
兼続を笑顔で見つめるお船。。。
「子が。。できたのか?」
「はい。
それ故、あなた様にも
しっかりして頂かねば」
「わしに。。子が。。
そうか。。そうか!
でかしたぞ!お船!!」
「子じゃ!
わしらの子じゃ!!」
見つめあい、喜び合う二人で会った。
茶々−天涯の貴妃− 和央ようか
【ムービー・マスターピース】『GOEMON The Movie』1/6スケールフィギュア 浅井 茶々
茶々と秀吉
tag:大国実頼 直江兼続 茶々 秀吉 小泉孝太郎 深田恭子 妻夫木聡
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