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第21回 天地人あらすじ「三成の涙」5/24
大河ドラマ天地人 第21話「三成の涙」(5月24日放送)
落水(おちりみず)での、関白秀吉の歓迎の宴。。。。
怒った兼続(妻夫木聡)の立てた物音で、
宴の場が、凍りついてしまった。
「気にさわったら、失礼」と石田三成(小栗旬)
「おのれ!」立ち上がった兼続。
上田衆に押しとどめられる。
「兼続」「兼続、落ち着け!」
「落ち着いておる。
だが、人を人とも思わぬそのそぶり。
これが石田三成とは」
「勝手に買いかぶられても迷惑」
「まだ、言うか!」
「兼続!」必死に兼続を押しとどめる上田衆。
秀吉(笹野高史)がついに口をだす。
「これ、騒々しいぞ」
「口を慎め、三成。
せっかくの酒がまずくなるではないか。」
外で頭を冷やして参れ。」
席を立つ三成。
秀吉は、景勝(北村一輝)に断って、
兼続に酒をふるまう。
「すまんのう。
あやつも悪いやつではないのだが、
人を怒らせることがままあっての。」
「こちらこそ、お恥ずかしいところを
お見せいたしました。」
「よいよい。
泣き、笑い、怒る。
これは人の常じゃ。
わしものう、ようく
頭にカッカと血が上るわい。」
秀吉は、自ら百姓の出てあることを語り、
母がそばにいたからつらいことにも
耐えられたという。
しかし、三成は寺で修行をしていたため
そうではなかった。
三成が気に入った秀吉は、
小姓として長浜に連れ帰った。
お寧も三成が気に入り、
握り飯を山のようにつくった。
「その握り飯を、三成め、
よほど、うれしかったのであろうのう。
泣きながら、ほおばっておったわ。
ふ、ははは。。」
それから秀吉に
よく仕えて来たというが、
「じゃがの」と続ける秀吉。
「知恵を磨けば磨くほど
周りの者が煙たがってのう。
いまだ、友と呼ぶ者が一人もおらん。
わしゃ、そんなあやつが、
哀れでのう。」
「関白様。。」
感じ入った様子の兼続。
-------
離れに佇む三成のもとへ、
兼続が握り飯を2個持ってやってきた。
「わしも5歳の頃より雲洞庵という寺に
入れられてのう。母恋しさによく泣いて、
逃げ出したこともあった。」
「何も食べてはおらぬであろう。」
握り飯を差し出す兼続。
「で、それか?」
「ん?」
「あの話を聞いたのであろう。
わしが、お寧様の握りめしに泣いたという。」
「まあ、そうだが。」
「わが殿はよくその話をよくする。
三成にも人の情があると
伝えたいのであろう。」
「ふん。大きなお世話だ。」
「では、嘘なのか?」
「嘘ではない。
泣いたのは、後にも先にも、
その時だけ。
俺は、おのれの性分をよくわかっている。
だが、変えるつもりはない。」
「頑固だのう。
だがこれは食え。うまいぞ。
越後の民が精魂込めた米だからのう。」
「一つ聞く。
お主、その民とは、まこと越後の民と
思っているか。」
「まあ、そうであろう。
ここは越後であるし。」
「そこが田舎者よ」
「何故そう思う。」
「民とは、国の民。
この日本国の民よ。」
「日本国の民?」
「そうだ。わが殿は、そのすべての民を
幸せにするために、
天下人になろうとしておられる。」
天下の政(まつりごと)について語る三成。
「天下人とは、それを成就させるため
天に選ばれし人のことよ。」
「なるほどな、それが関白殿下とお主が目指す、
天下国家か。
わかるぞ。民の幸せこそが天下の大事」
「ふん。」
(お前なんかに何がわかる!といった
小馬鹿にした雰囲気。。。)
「だが。。。食べぬのか?」
「ああ」
「では、わしが。」
握り飯を一個頬張りながら立ち上がり、
三成の横に並ぶ兼続。
「幸せと言うても人それぞれじゃ。
国が豊かになったとしても、
友のいない暮らしは幸せとは言えぬし。
いくら貧しうても
握り飯を分け合える仲間がいれば、
心は満たされる。
そう思わぬか。」
何か心にささる三成。。。
------
秀吉の景勝の宴の場。
「はあー。
もうやめじゃ。もうやめじゃ。
いや。ひとり喋くるのが、
これほどくたびれるとは。。
景勝殿、いい加減喋られよ。」
秀吉に向き直る景勝。
何やら口を開く気配。
「おうっ!?」
おおーっつ、皆が注目。。。!!
口を開くと思いきや。。。
杯をとって飲む景勝!
一同、ずっこける。。
------
三成と初音(長澤まさみ)が話をしている。
「おまえは、俺とあいつが同じ匂いがすると言ったな。
越後の田舎侍と思っていたが、
天下の成り立ちが、少しはわかっているようだ。」
「では、よかったではありませんか」
「ふん。だが、阿呆であることに変わりない。」
「でも気になる。。。
そう顔に書いてある。」
「人は自分にないものに惹かれるもの。」
「では。。。私はこれで」
去ろうとする初音。
手をつかみ引き留める三成。
「どこへ行く。俺のそばにいればよい。」
初音を見つめる三成。
「行かねばならぬところがあるのです。」
「どこだ?」
「信州、真田の庄」
「真田?」
-------
浜松城の徳川家康(松方弘樹)の元へ、
落水での秀吉と上杉景勝の会見の報が届いた。
将棋崩しをやりながら、本多正信(松山政路)
と話している。
秀吉と上杉の接近は好ましくないが、
「今はじっとがまんの時」と
東を固める方針の家康。
「まずは、信州真田。。」
「できることから一つずつじゃ。」
上に駒が乗っている駒を選ぶ家康。
音を立てたら負けである。
鋭い眼光の家康。
息をのむ本多正信。
山を崩すことなく駒を取った家康。
「はっはっは。」
--------
春日山に戻った兼続は、
お船に、三成のことでぐちをこぼしていた。
「ああいう男は好かん!」
「どのようなお顔の様子なのでございます?」
「もしや、目など吊り上っているのでは
ございませぬか?」
「こんなふうに」
両手で、目の端を吊あげて
おどけてみせるお船。
「ははは。似ておる。似ておる。
そうじゃ、そんな鋭い目じゃ。
それに派手な出で立ちで、
都の男とはあんなものかのう。
まるでキツネが化けたようじゃ。」
「きつね?」
「そうじゃ。
キツネが着物を着て、
偉そうにしている感じじゃ。」
「お猿の関白さまと、狐の石田さまとの
天下取りでは、少々思いやられまするなあ。」
「そうじゃのう。
だが、大した男よ。
その目は、常に天下国家を見据えておる。」
「すっかり石田様に魅せられたようで
ございまするな。」
「そなたは、お見通しじゃのう。
「はい。『妻』でございますから。」
------
兼続が、景勝の元へ行こうとすると、
中で、菊姫(比嘉愛未)が景勝に話をしている。
侍女が勘違いして、菊姫が懐妊したと、
仙桃院(高島礼子)に告げてしまったらしい。
自分からは言えないので、
景勝から言って欲しいと。
自分からも言えない、という景勝。
「兼続に頼もう!」
聞き耳を立てていた兼続が飛び上がる!
「えっつ!?ですが、これは身内の話。
兼続には。。」
「いや、上杉の跡目の話である。
家老である兼続にも無縁ではない。」
「善は急げじゃ。すぐに呼びに向かわせよう!」
兼続が困っていると。。。
「兼続!?ここで何をしておる。」
仙桃院がいつのまにかやってきていた!
飛び上がる兼続。
景勝と菊姫も飛び出してきた。
-----
その頃、直江屋敷に石田三成がやってきた。
笠を取った三成を見て、お船「きつね?」
奥に案内するお船に、
「さすが。。
わが殿の前で自慢なされるだけのことは
あります。」
「は?」
「わが妻は美しい、と
直江さまはそう申されましたので。」
「都にも、あなた様のような女子は
そうはおりませぬ。」
「まあ!
上方の殿方は、お口がお上手なことで!」
大喜びではしゃぐお船。
------
「それでお菊殿。医者の見立ては、いつ頃じゃ」
「それは」
「なんじゃ。見てもらってもおらぬのか」
「兼続、医者を呼べ」
「はっつ」
「何をぐずぐずしておる!」
「はっつ。それが。。。
もっと大事な話が。。」
「大事な話?」
「殿」
「殿」
景勝に向かって訴える兼続だが、
「なんじゃ兼続。言うて見るがよい。」
「えっつ。えー。それが。。えー、つまり。。」
「医者より前に、謙信公にこの大事をお伝えせねばと。」
「おー、そうであったのう。
私としたことが、自分ばかり喜んでおったわ。
景勝。急ぎ謙信公に申し上げましょう。」
「はっつ」
「まことめでたいことよ」と言いながら、
部屋を出る仙桃院。
「どうするのじゃ。
ますます言いだしにくくなったではないか。」
「いやあ、そう言われましても」
「急ぎなんとかせねば。
でなければ明日には、城中が
この話でもちきりになります。」
「ここはやはり、殿より母上様に
本当のことを申し上げて頂く以外にございませぬ。
そして、その折に、世継ぎの話は
当分お控えくださるよう、
お話して頂きとうございます。
この3年というもの、
顔を合わすたびに、まだかまだかと
言われ続けてきたのでございます。
私の身にもなってくださいませ。」
「そうじゃが。。」
「3年でございますよ。
お願い致します!」
そこへ、直江屋敷よりの使者が、
石田三成が会いにきていることを
告げに来た。
その間も、景勝は、菊姫に一方的に
まくしたてられていた。
「殿はどちらのお味方でございますか。
妻の私でございますか!
それとも母上様でございますか!」
すごい剣幕の菊姫。。
----
直江屋敷では、兼続が帰るまでの間、
上田衆が三成をもてなそうと駆けつけていた。
酒をすすめる与七に、
「酒はたしなまぬ。」
「そうでございましたな。
これは、春日山の湧水にございます。」
と水をつぐ。
泉沢久秀(東幹久)が春日山城について
天下無双の名城であろうと自慢する。
「籠城戦となっても、
ちょっとやそっとでは落ちはせぬ。」
「はじめから負けを見越した城というわけか。」
「は?」
「籠城などと口にされるとは、
そこですでにその戦、負けておる。」
「いや、そのようなことは。。」
「ふん。この乱世でさような引け腰では、
上杉の先行きも見えたのう。」
怒り心頭の泉沢久秀を与七が諌める。
泉沢久秀は、三成に背を向けてしまう。
次に、甘糟景継(パパイヤ鈴木)が
「ところで、石田殿、
気になっておったのじゃが、その髪型は何か?
京で、はやっておるのか?」
「別に」
「わしもまねしてみようかのう。
何せ女子は、新しもの好きじゃからのう。」
「なんとも粗忽の限り。」
「えっつ?」
「外見だけまねても、無駄だ。
失礼だが、女子の気をひくなど、
とても中身のある者の
物言いとは、思えぬ。」
むっとする甘糟景継
「どういう意味じゃ」
「甘糟殿!」与七が諌める。
甘糟も泉沢と並んで、三成に背を向ける。
桜井晴吉(松尾諭)と深沢弥七郎(松本実)
が子供のころの話をしている。
「こいつなど魚釣りの名人でのう。
裏の川でこんなに大きな岩魚を
釣りあげたこともあったわ。
あのときは、与六のやつも、
兼続のことじゃが
わしより大きいのを釣ろうと
ねばってのう。」
「そうそう。日がくれるまで。」
「負けず嫌いじゃったからのう。あいつは。」
「なるほど、よくわかった。」
「えっつ!?」
「でしゃばりやら、おせっかいやら
お主たちの子供じみたふるまいは、
雲洞庵でろくに修行もせず、
遊んでおったからだな。」
背を向ける、桜井晴吉と深沢弥七郎
遠くからみていた、お船と かよ(あき竹城)
「無礼なお方でございますなあ」
「そうではない。」
「え?」
「正直すぎるのじゃ」
------
景勝が、仙桃院に謝っている。
「申し訳ございませぬ。」
「どうしたのじゃ」
兼続が代わりに答える。
「実は侍女の勘違いにございました。」
「まことか」
「はい、残念ながら。」
「そうか」
気が抜ける仙桃院。
:
菊姫を呼んだ仙桃院は、
世継ぎ、世継ぎと言いすぎたことを
菊姫に詫びる。
「許してくだされ、お菊殿」
「母上様。。。」
はっとする菊姫。
逆に自分の義務をあらためて自覚する。
「子を成すは、嫁の勤めでございます。
必ずや、よき子を産んで見せまする。」
------
三成が帰ろうとしているところに、
ようやく兼続が駆けもどる。
帰ろうとする三成に
「石田殿、わたしに用があったのでは?」
「もうよい」
お船が、泊まって行くように勧めていると、
百姓たちが大八車に、畑で獲れた初物を
持ってきた。
お船は、日頃から百姓たちを気にかけている
兼続のことを三成に話す。
「さ、石田さま
せっかくでございます。
是非とも今宵は、わが夫と」
「奥方にそこまで言われれば、
お断りできませぬな。」
兼続は、与七に泉沢久秀らを呼び戻させ、
百姓たちも宴に加わるように言う。
宴が始まったが、上田衆は、固まって
相変わらずムッとしている。
「よし、ここは一つわたしが踊りを披露しよう。」
「だんな様、百姓たちに示しがつきません!」
「よいよい、今宵はとことん踊るぞ!」
「ほーれ、ほーれ、どじょっこホイ!
やっと、やっと、やっとぉ。。。」
「どうじゃ石田殿、見るより、
踊った方が楽しいぞ。」と兼続。
しかし三成は、
「阿呆にはなれぬ。」
それを聞いた上田衆、
「なんじゃと!では
兼続が阿呆と言うことか!」
「まあ、聞き流されよ」
「先ほどといい、わしらをバカにするか!」
立ち上がる泉沢。
「構わぬ」と兼続。
「だがのう」
「石田殿が言ったとおりではないか。
この格好、これでは、どう見ても阿呆じゃ。」
「はっはっは」百姓が笑い、たしなめられる。
「よいよい、とことん阿呆になるぞ!」
「仕方ない、よし、やるとするか」
泉沢久秀も踊りの仲間に入る。
踊りに興じる、兼続や上田衆、百姓たちを
見つめる石田三成。。
------
踊り疲れて寝てしまった上田衆。
兼続と三成は二人で庭に出る。
奥方と、家臣どおしの仲のよさを褒める三成。
「うらやましいな。」
「おっ。初めてじゃの。
お主の口からそのようなことを聞くのは。」
「俺とて本音は。。」
「お主、他人のことを阿呆だと思うておるであろう。
それが、いかぬ。」
「阿呆は阿呆だ。
だが、お前は違う。
阿呆にもなれる心を持つ男だ。
それが俺と違うところ。
だからお前は人に好かれ、俺は嫌われる。
だが、性分ゆえ仕方がない。」
兼続は、庭におりて三成のそばへ近寄ると、
「わしは、お主のことを誤解していたようだ。
許せ。」と手を差し出す。
三成は、初音の「人は自分にないものに
惹かれるもの」という言葉を思い出す。
「どうした。」
「いや」
ついに手を握り返した三成。
兼続がさらに手を重ねる。
:
「で、得るものはあったか?」
「それを確かめに来たのであろう」
「俺は、民のために豊かな暮らしをと
願っていた。
だが、それだけでは足りぬことがわかった。
互いに思いやる心、ともに歩もうとする志。
それが大事。」
「さすがじゃのう。」
「おまえが教えてくれたのだ。礼を言う。」
「水臭いことを言うな。
今日より、お主は、
わしの友よ。」
「どうじゃ」
1個の握り飯を半分に分けて差し出す兼続。
受け取った三成。
一口食べて「うまい」
立ち上がり、数歩前に歩いて立ち止まる。
三成の眼から、涙があふれ出た。
かつて、お寧からもらった握り飯のことを
思いだしているのであろうか。。
兼続と三成は、こうして無二の友となった。
石田三成と大谷吉継 [知の参謀]戦国武将石田三成[辞世の句](20-25cm) 切文字ステッカー/デカール
tag:石田三成 / 直江兼続 / 小栗旬
落水(おちりみず)での、関白秀吉の歓迎の宴。。。。
怒った兼続(妻夫木聡)の立てた物音で、
宴の場が、凍りついてしまった。
「気にさわったら、失礼」と石田三成(小栗旬)
「おのれ!」立ち上がった兼続。
上田衆に押しとどめられる。
「兼続」「兼続、落ち着け!」
「落ち着いておる。
だが、人を人とも思わぬそのそぶり。
これが石田三成とは」
「勝手に買いかぶられても迷惑」
「まだ、言うか!」
「兼続!」必死に兼続を押しとどめる上田衆。
秀吉(笹野高史)がついに口をだす。
「これ、騒々しいぞ」
「口を慎め、三成。
せっかくの酒がまずくなるではないか。」
外で頭を冷やして参れ。」
席を立つ三成。
秀吉は、景勝(北村一輝)に断って、
兼続に酒をふるまう。
「すまんのう。
あやつも悪いやつではないのだが、
人を怒らせることがままあっての。」
「こちらこそ、お恥ずかしいところを
お見せいたしました。」
「よいよい。
泣き、笑い、怒る。
これは人の常じゃ。
わしものう、ようく
頭にカッカと血が上るわい。」
秀吉は、自ら百姓の出てあることを語り、
母がそばにいたからつらいことにも
耐えられたという。
しかし、三成は寺で修行をしていたため
そうではなかった。
三成が気に入った秀吉は、
小姓として長浜に連れ帰った。
お寧も三成が気に入り、
握り飯を山のようにつくった。
「その握り飯を、三成め、
よほど、うれしかったのであろうのう。
泣きながら、ほおばっておったわ。
ふ、ははは。。」
それから秀吉に
よく仕えて来たというが、
「じゃがの」と続ける秀吉。
「知恵を磨けば磨くほど
周りの者が煙たがってのう。
いまだ、友と呼ぶ者が一人もおらん。
わしゃ、そんなあやつが、
哀れでのう。」
「関白様。。」
感じ入った様子の兼続。
-------
離れに佇む三成のもとへ、
兼続が握り飯を2個持ってやってきた。
「わしも5歳の頃より雲洞庵という寺に
入れられてのう。母恋しさによく泣いて、
逃げ出したこともあった。」
「何も食べてはおらぬであろう。」
握り飯を差し出す兼続。
「で、それか?」
「ん?」
「あの話を聞いたのであろう。
わしが、お寧様の握りめしに泣いたという。」
「まあ、そうだが。」
「わが殿はよくその話をよくする。
三成にも人の情があると
伝えたいのであろう。」
「ふん。大きなお世話だ。」
「では、嘘なのか?」
「嘘ではない。
泣いたのは、後にも先にも、
その時だけ。
俺は、おのれの性分をよくわかっている。
だが、変えるつもりはない。」
「頑固だのう。
だがこれは食え。うまいぞ。
越後の民が精魂込めた米だからのう。」
「一つ聞く。
お主、その民とは、まこと越後の民と
思っているか。」
「まあ、そうであろう。
ここは越後であるし。」
「そこが田舎者よ」
「何故そう思う。」
「民とは、国の民。
この日本国の民よ。」
「日本国の民?」
「そうだ。わが殿は、そのすべての民を
幸せにするために、
天下人になろうとしておられる。」
天下の政(まつりごと)について語る三成。
「天下人とは、それを成就させるため
天に選ばれし人のことよ。」
「なるほどな、それが関白殿下とお主が目指す、
天下国家か。
わかるぞ。民の幸せこそが天下の大事」
「ふん。」
(お前なんかに何がわかる!といった
小馬鹿にした雰囲気。。。)
「だが。。。食べぬのか?」
「ああ」
「では、わしが。」
握り飯を一個頬張りながら立ち上がり、
三成の横に並ぶ兼続。
「幸せと言うても人それぞれじゃ。
国が豊かになったとしても、
友のいない暮らしは幸せとは言えぬし。
いくら貧しうても
握り飯を分け合える仲間がいれば、
心は満たされる。
そう思わぬか。」
何か心にささる三成。。。
------
秀吉の景勝の宴の場。
「はあー。
もうやめじゃ。もうやめじゃ。
いや。ひとり喋くるのが、
これほどくたびれるとは。。
景勝殿、いい加減喋られよ。」
秀吉に向き直る景勝。
何やら口を開く気配。
「おうっ!?」
おおーっつ、皆が注目。。。!!
口を開くと思いきや。。。
杯をとって飲む景勝!
一同、ずっこける。。
------
三成と初音(長澤まさみ)が話をしている。
「おまえは、俺とあいつが同じ匂いがすると言ったな。
越後の田舎侍と思っていたが、
天下の成り立ちが、少しはわかっているようだ。」
「では、よかったではありませんか」
「ふん。だが、阿呆であることに変わりない。」
「でも気になる。。。
そう顔に書いてある。」
「人は自分にないものに惹かれるもの。」
「では。。。私はこれで」
去ろうとする初音。
手をつかみ引き留める三成。
「どこへ行く。俺のそばにいればよい。」
初音を見つめる三成。
「行かねばならぬところがあるのです。」
「どこだ?」
「信州、真田の庄」
「真田?」
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浜松城の徳川家康(松方弘樹)の元へ、
落水での秀吉と上杉景勝の会見の報が届いた。
将棋崩しをやりながら、本多正信(松山政路)
と話している。
秀吉と上杉の接近は好ましくないが、
「今はじっとがまんの時」と
東を固める方針の家康。
「まずは、信州真田。。」
「できることから一つずつじゃ。」
上に駒が乗っている駒を選ぶ家康。
音を立てたら負けである。
鋭い眼光の家康。
息をのむ本多正信。
山を崩すことなく駒を取った家康。
「はっはっは。」
--------
春日山に戻った兼続は、
お船に、三成のことでぐちをこぼしていた。
「ああいう男は好かん!」
「どのようなお顔の様子なのでございます?」
「もしや、目など吊り上っているのでは
ございませぬか?」
「こんなふうに」
両手で、目の端を吊あげて
おどけてみせるお船。
「ははは。似ておる。似ておる。
そうじゃ、そんな鋭い目じゃ。
それに派手な出で立ちで、
都の男とはあんなものかのう。
まるでキツネが化けたようじゃ。」
「きつね?」
「そうじゃ。
キツネが着物を着て、
偉そうにしている感じじゃ。」
「お猿の関白さまと、狐の石田さまとの
天下取りでは、少々思いやられまするなあ。」
「そうじゃのう。
だが、大した男よ。
その目は、常に天下国家を見据えておる。」
「すっかり石田様に魅せられたようで
ございまするな。」
「そなたは、お見通しじゃのう。
「はい。『妻』でございますから。」
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兼続が、景勝の元へ行こうとすると、
中で、菊姫(比嘉愛未)が景勝に話をしている。
侍女が勘違いして、菊姫が懐妊したと、
仙桃院(高島礼子)に告げてしまったらしい。
自分からは言えないので、
景勝から言って欲しいと。
自分からも言えない、という景勝。
「兼続に頼もう!」
聞き耳を立てていた兼続が飛び上がる!
「えっつ!?ですが、これは身内の話。
兼続には。。」
「いや、上杉の跡目の話である。
家老である兼続にも無縁ではない。」
「善は急げじゃ。すぐに呼びに向かわせよう!」
兼続が困っていると。。。
「兼続!?ここで何をしておる。」
仙桃院がいつのまにかやってきていた!
飛び上がる兼続。
景勝と菊姫も飛び出してきた。
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その頃、直江屋敷に石田三成がやってきた。
笠を取った三成を見て、お船「きつね?」
奥に案内するお船に、
「さすが。。
わが殿の前で自慢なされるだけのことは
あります。」
「は?」
「わが妻は美しい、と
直江さまはそう申されましたので。」
「都にも、あなた様のような女子は
そうはおりませぬ。」
「まあ!
上方の殿方は、お口がお上手なことで!」
大喜びではしゃぐお船。
------
「それでお菊殿。医者の見立ては、いつ頃じゃ」
「それは」
「なんじゃ。見てもらってもおらぬのか」
「兼続、医者を呼べ」
「はっつ」
「何をぐずぐずしておる!」
「はっつ。それが。。。
もっと大事な話が。。」
「大事な話?」
「殿」
「殿」
景勝に向かって訴える兼続だが、
「なんじゃ兼続。言うて見るがよい。」
「えっつ。えー。それが。。えー、つまり。。」
「医者より前に、謙信公にこの大事をお伝えせねばと。」
「おー、そうであったのう。
私としたことが、自分ばかり喜んでおったわ。
景勝。急ぎ謙信公に申し上げましょう。」
「はっつ」
「まことめでたいことよ」と言いながら、
部屋を出る仙桃院。
「どうするのじゃ。
ますます言いだしにくくなったではないか。」
「いやあ、そう言われましても」
「急ぎなんとかせねば。
でなければ明日には、城中が
この話でもちきりになります。」
「ここはやはり、殿より母上様に
本当のことを申し上げて頂く以外にございませぬ。
そして、その折に、世継ぎの話は
当分お控えくださるよう、
お話して頂きとうございます。
この3年というもの、
顔を合わすたびに、まだかまだかと
言われ続けてきたのでございます。
私の身にもなってくださいませ。」
「そうじゃが。。」
「3年でございますよ。
お願い致します!」
そこへ、直江屋敷よりの使者が、
石田三成が会いにきていることを
告げに来た。
その間も、景勝は、菊姫に一方的に
まくしたてられていた。
「殿はどちらのお味方でございますか。
妻の私でございますか!
それとも母上様でございますか!」
すごい剣幕の菊姫。。
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直江屋敷では、兼続が帰るまでの間、
上田衆が三成をもてなそうと駆けつけていた。
酒をすすめる与七に、
「酒はたしなまぬ。」
「そうでございましたな。
これは、春日山の湧水にございます。」
と水をつぐ。
泉沢久秀(東幹久)が春日山城について
天下無双の名城であろうと自慢する。
「籠城戦となっても、
ちょっとやそっとでは落ちはせぬ。」
「はじめから負けを見越した城というわけか。」
「は?」
「籠城などと口にされるとは、
そこですでにその戦、負けておる。」
「いや、そのようなことは。。」
「ふん。この乱世でさような引け腰では、
上杉の先行きも見えたのう。」
怒り心頭の泉沢久秀を与七が諌める。
泉沢久秀は、三成に背を向けてしまう。
次に、甘糟景継(パパイヤ鈴木)が
「ところで、石田殿、
気になっておったのじゃが、その髪型は何か?
京で、はやっておるのか?」
「別に」
「わしもまねしてみようかのう。
何せ女子は、新しもの好きじゃからのう。」
「なんとも粗忽の限り。」
「えっつ?」
「外見だけまねても、無駄だ。
失礼だが、女子の気をひくなど、
とても中身のある者の
物言いとは、思えぬ。」
むっとする甘糟景継
「どういう意味じゃ」
「甘糟殿!」与七が諌める。
甘糟も泉沢と並んで、三成に背を向ける。
桜井晴吉(松尾諭)と深沢弥七郎(松本実)
が子供のころの話をしている。
「こいつなど魚釣りの名人でのう。
裏の川でこんなに大きな岩魚を
釣りあげたこともあったわ。
あのときは、与六のやつも、
兼続のことじゃが
わしより大きいのを釣ろうと
ねばってのう。」
「そうそう。日がくれるまで。」
「負けず嫌いじゃったからのう。あいつは。」
「なるほど、よくわかった。」
「えっつ!?」
「でしゃばりやら、おせっかいやら
お主たちの子供じみたふるまいは、
雲洞庵でろくに修行もせず、
遊んでおったからだな。」
背を向ける、桜井晴吉と深沢弥七郎
遠くからみていた、お船と かよ(あき竹城)
「無礼なお方でございますなあ」
「そうではない。」
「え?」
「正直すぎるのじゃ」
------
景勝が、仙桃院に謝っている。
「申し訳ございませぬ。」
「どうしたのじゃ」
兼続が代わりに答える。
「実は侍女の勘違いにございました。」
「まことか」
「はい、残念ながら。」
「そうか」
気が抜ける仙桃院。
:
菊姫を呼んだ仙桃院は、
世継ぎ、世継ぎと言いすぎたことを
菊姫に詫びる。
「許してくだされ、お菊殿」
「母上様。。。」
はっとする菊姫。
逆に自分の義務をあらためて自覚する。
「子を成すは、嫁の勤めでございます。
必ずや、よき子を産んで見せまする。」
------
三成が帰ろうとしているところに、
ようやく兼続が駆けもどる。
帰ろうとする三成に
「石田殿、わたしに用があったのでは?」
「もうよい」
お船が、泊まって行くように勧めていると、
百姓たちが大八車に、畑で獲れた初物を
持ってきた。
お船は、日頃から百姓たちを気にかけている
兼続のことを三成に話す。
「さ、石田さま
せっかくでございます。
是非とも今宵は、わが夫と」
「奥方にそこまで言われれば、
お断りできませぬな。」
兼続は、与七に泉沢久秀らを呼び戻させ、
百姓たちも宴に加わるように言う。
宴が始まったが、上田衆は、固まって
相変わらずムッとしている。
「よし、ここは一つわたしが踊りを披露しよう。」
「だんな様、百姓たちに示しがつきません!」
「よいよい、今宵はとことん踊るぞ!」
「ほーれ、ほーれ、どじょっこホイ!
やっと、やっと、やっとぉ。。。」
「どうじゃ石田殿、見るより、
踊った方が楽しいぞ。」と兼続。
しかし三成は、
「阿呆にはなれぬ。」
それを聞いた上田衆、
「なんじゃと!では
兼続が阿呆と言うことか!」
「まあ、聞き流されよ」
「先ほどといい、わしらをバカにするか!」
立ち上がる泉沢。
「構わぬ」と兼続。
「だがのう」
「石田殿が言ったとおりではないか。
この格好、これでは、どう見ても阿呆じゃ。」
「はっはっは」百姓が笑い、たしなめられる。
「よいよい、とことん阿呆になるぞ!」
「仕方ない、よし、やるとするか」
泉沢久秀も踊りの仲間に入る。
踊りに興じる、兼続や上田衆、百姓たちを
見つめる石田三成。。
------
踊り疲れて寝てしまった上田衆。
兼続と三成は二人で庭に出る。
奥方と、家臣どおしの仲のよさを褒める三成。
「うらやましいな。」
「おっ。初めてじゃの。
お主の口からそのようなことを聞くのは。」
「俺とて本音は。。」
「お主、他人のことを阿呆だと思うておるであろう。
それが、いかぬ。」
「阿呆は阿呆だ。
だが、お前は違う。
阿呆にもなれる心を持つ男だ。
それが俺と違うところ。
だからお前は人に好かれ、俺は嫌われる。
だが、性分ゆえ仕方がない。」
兼続は、庭におりて三成のそばへ近寄ると、
「わしは、お主のことを誤解していたようだ。
許せ。」と手を差し出す。
三成は、初音の「人は自分にないものに
惹かれるもの」という言葉を思い出す。
「どうした。」
「いや」
ついに手を握り返した三成。
兼続がさらに手を重ねる。
:
「で、得るものはあったか?」
「それを確かめに来たのであろう」
「俺は、民のために豊かな暮らしをと
願っていた。
だが、それだけでは足りぬことがわかった。
互いに思いやる心、ともに歩もうとする志。
それが大事。」
「さすがじゃのう。」
「おまえが教えてくれたのだ。礼を言う。」
「水臭いことを言うな。
今日より、お主は、
わしの友よ。」
「どうじゃ」
1個の握り飯を半分に分けて差し出す兼続。
受け取った三成。
一口食べて「うまい」
立ち上がり、数歩前に歩いて立ち止まる。
三成の眼から、涙があふれ出た。
かつて、お寧からもらった握り飯のことを
思いだしているのであろうか。。
兼続と三成は、こうして無二の友となった。
石田三成と大谷吉継 [知の参謀]戦国武将石田三成[辞世の句](20-25cm) 切文字ステッカー/デカール
tag:石田三成 / 直江兼続 / 小栗旬
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